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〈中川政七商店〉が工芸復興企画
「北陸のものづくり展」を開催 
3週間で3100万円売上、
全額を輪島塗・珠洲焼などへ寄付

コロカルニュース

posted:2024.4.2   from:奈良県奈良市  genre:活性化と創生

〈 コロカルニュース&この企画は… 〉  全国各地の時事ネタから面白情報まで。
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writer profile

Saori Nozaki

野崎さおり

のざき・さおり●富山県生まれ、転勤族育ち。非正規雇用の会社員などを経てライターになり、人見知りを克服。とにかくよく食べる。趣味の現代アート鑑賞のため各地を旅するうちに、郷土料理好きに。

「北陸のものづくりを未来へ」と発災から1か月で実現した企画展

令和6年(2024年)1月1日に発生した令和6年能登半島地震。
石川県をはじめとした北陸では、工芸にまつわる企業や職人たちも
大きな被害を受けています。

特に震源となった石川県は伝統工芸が今に伝わる土地

特に震源となった石川県は、輪島塗、九谷焼、珠洲焼、加賀友禅、金箔工芸など
伝統工芸が今に伝わる土地です。
また明治時代に発達した繊維産業の技術が波及して、
多様な機械産業へと発展した歴史もあります。

北陸のものづくりを未来へつないでいくことを目的に、
工芸復興支援をいち早く始めたのが〈中川政七商店〉です。

中川政七商店は奈良の地で享保元年(1716年)に創業。
麻織物、奈良晒(さらし)の商いから始まって、
昭和の中頃には茶道具を手がけ、
現在では製造小売、コンサルティング、流通支援事業などを通して
全国にある工芸品の産地と取り組みを行なってきました。
企業のビジョンとして掲げているのが「日本の工芸を元気にする!」。

中川政七商店の代表取締役社長、千石あやさんのもとには
令和6年能登半島地震発生から数日の間に、
たくさんの「今私たちにできること」のアイデアが届いたといいます。

渋谷店での企画展の様子

渋谷店での企画展の様子

「たくさんのものづくりと豊かな地域文化が、
これをきっかけに失われることを少しでも食い止められたら…」と、
支援の第一歩として、1月31日から企画展「北陸のものづくり展」が実施されました。
石川県、新潟県、福井県、富山県の被災地4県で作られた商品を販売し、
その売上全額を工芸支援に繋がる窓口へ寄付する取り組みです。

開始直後から予想以上の支援があり、対象商品の在庫が僅かとなって
開始から約3週間後の2月20日に終了。
当初の予定よりも2週間も繰り上げられました。

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食洗機で洗える漆椀

食洗機で洗える漆椀

特に人気が高かったのは、福井・越前漆器の〈食洗機で洗える漆椀〉。

軽くて強い〈TO&FRO〉のポーチなど

軽くて強い〈TO&FRO〉のポーチなど

石川の繊維産業から生まれたトラベルギア〈TO&FRO〉の商品も人気でした。

支援として商品を購入した人は述べ7000名にも上りました。
「応援の気持ちで購入した」
「北陸にたくさんの工芸があることを知るきっかけになった」
「復興を祈りながら商品を使います」といった声も寄せられています。

企画展の売上額は3100万円あまりとなりました。
その全額に中川政七商店から追加寄付金として40万円ほど加えられて、
合計3150万円が寄付されました。
寄付の送り先は、輪島塗、珠洲焼、九谷焼の各組合と石川県の企業版ふるさと納税
合わせて7団体です。

寄付を受け取った伝統工芸の組合や団体からは、
「まだまだ、多くの職人さんたちが避難生活の中にいて
作業に取り掛かれるには、時間が必要ですが、多くの皆様からのご支援で、
少しずつ前向きに歩もうとしています」(輪島漆器商工業協同組合)
「工芸の復興が地域再生の希望の光となるよう、
諦めず前を向いて先ずは一歩を踏み出します」(珠洲焼創炎会様)
「全国の方々が北陸を応援してくださっていることが本当に有難く、心強いです」
(九谷焼4団体を代表した加賀九谷陶磁器協同組合)
などと感謝と復興に向けた心強い言葉が届きました。

九谷焼の伝統を受け継ぐ茶碗「好日茶碗 コブシ花文」

九谷焼の伝統を受け継ぐ茶碗〈好日茶碗 コブシ花文〉

発災から約3か月。奥能登地域では暮らしの再建がままならない状況が伝えられるなか、
中川政七商店は復興の一助となるために何ができるかを会社全体で考えていくそうです。

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中川政七商店

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