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まるで異国!
八戸「種差海岸」 海と空の青、
芝の緑が触れ合う絶景の魅力

コロカルニュース

posted:2024.3.28   from:青森県八戸市  genre:旅行

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Haruna Sato

佐藤春菜

さとう・はるな●北海道出身。国内外の旅行ガイドブックを編集する都内出版社での勤務を経て、2017年より夫の仕事で拠点を東北に移し、フリーランスに。編集・執筆・アテンドなどを行なう。暮らしを豊かにしてくれる、旅やものづくりについて勉強の日々です。

まるで異国! 八戸「種差海岸」の絶景を堪能

雄大な天然芝生が海岸線まで広がり、青い海と空との共演が美しい〈種差天然芝生地〉。

異国にいるかのように思わせるこの絶景は、「種差海岸」の一角にあり、
日本最大級と称される〈館鼻岸壁朝市〉や、
ユネスコ無形文化遺産に登録された「山・鉾・屋台行事」の
ひとつ「八戸三社大祭の山車行事」などで知られる青森県八戸市で見ることができます。

全長約800メートルに渡り約300店が出店する〈館鼻岸壁朝市〉は八戸市の代表的な観光スポット。

全長約800メートルに渡り約300店が出店する〈館鼻岸壁朝市〉は八戸市の代表的な観光スポット。

〈種差天然芝生地〉があるのは、東北新幹線の八戸駅から車で約30分の場所。
八戸駅からJR八戸線で約20分の鮫駅からは、
種差海岸遊覧バス「ワンコインバス・うみねこ号」も運行しています。

約1時間に1本運行する種差海岸遊覧バス「ワンコインバス・うみねこ号」。

約1時間に1本運行する種差海岸遊覧バス「ワンコインバス・うみねこ号」。

八戸市が属する県南東部の南部地方は、古くからの馬産地。
〈種差天然芝生地〉は馬を育成するための牧場〈妙野牧〉だった土地で、
馬が地面を踏み締め、草を食むことで芝生が維持されてきました。

その風景は、著名な文人や画家も魅了してきました。
画家の東山魁夷(1908〜1999)は、当地のスケッチをもとに代表作『道』を生み出し、
作家の司馬遼太郎(1923〜1996)は、
「他の星からの訪問者を一番先に案内したい海岸」と表現。
「大正の広重」と呼ばれた鳥瞰図画家・吉田初三郎(1884〜1955)は、
この地にアトリエ兼別荘を構え、創作活動の拠点とするほどでした。

『道』(東山魁夷、1950年)のモデルとなった県道1号線。作品を描いたとされる場所に碑が立っています。

『道』(東山魁夷、1950年)のモデルとなった県道1号線。作品を描いたとされる場所に碑が立っています。

馬の放牧の歴史は1965年頃終わりを迎えましたが、
市民を中心としたボランティア団体による清掃活動が活発に行われ、
美しい景観は今日まで保全されています。

晴れた日には芝生に寝転がるだけで至福の時間を過ごすことができます。
地元の旅行会社〈ACプロモート〉がヨガやキャンプのプログラムを主催しているので、
参加してみるのもおすすめです。

「種差海岸」でのキャンプの様子。

「種差海岸」でのキャンプの様子。

プログラムに参加すると芝生の上で宿泊することもできます。

プログラムに参加すると芝生の上で宿泊することもできます。

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〈種差天然芝生地〉周辺にも、見どころが多数

〈種差天然芝生地〉を有する種差海岸エリアは、
東日本大震災で被災した三陸地域の復興に貢献するために創設された
「三陸復興国立公園」にも指定。

周辺にも見どころが多くあり、
芝生地前にある〈種差海岸インフォメーションセンター〉では、
さまざまな情報を収集することができます。

〈種差海岸インフォメーションセンター〉では、夏のやませ(夏に吹く北東の風)や冬の少雪など独特な気候の影響を受けた「種差海岸」の植生を学ぶことができます。

〈種差海岸インフォメーションセンター〉では、夏のやませ(夏に吹く北東の風)や冬の少雪など独特な気候の影響を受けた「種差海岸」の植生を学ぶことができます。

「種差海岸」でよく見られるニッコウキスゲ。海岸沿いには海浜植物のほか、冷涼な気候の影響により数百種の高山植物が自生し、北限と南限の植物が共生しているのが特徴です。

「種差海岸」でよく見られるニッコウキスゲ。海岸沿いには海浜植物のほか、冷涼な気候の影響により数百種の高山植物が自生し、北限と南限の植物が共生しているのが特徴です。

〈種差天然芝生地〉のすぐ北に広がるのは、〈淀の松原〉。
整備された遊歩道を歩くことができ、約3キロメートルにわたるクロマツの林の間から、
太平洋を望むことができます。

〈淀の松原〉には、ここからの眺めが気に入り住み着いた人がいたという〈仙人窟〉や、岩手県宮古市までつながっているとされる「地獄穴」など、不思議な伝説も残ります。

〈淀の松原〉には、ここからの眺めが気に入り住み着いた人がいたという〈仙人窟〉や、岩手県宮古市までつながっているとされる「地獄穴」など、不思議な伝説も残ります。

その先にあるのは約2.3キロメートルの砂浜が広がる〈大須賀海岸〉。
砂に鉱物の「石英粒」が混じっているため、歩くと擦れる際の振動で音が出ることも。
「鳴砂」と呼ばれ、不純物の少ない綺麗な砂浜の証であるといわれています。

白砂が美しい〈大須賀海岸〉。貝殻などに注意しながら裸足で歩くと、大地と一体となるような気持ちに。隣接する白浜海水浴場側には足を洗うことができる水道も完備されています。

白砂が美しい〈大須賀海岸〉。貝殻などに注意しながら裸足で歩くと、大地と一体となるような気持ちに。隣接する白浜海水浴場側には足を洗うことができる水道も完備されています。

さらに北には、太平洋をぐるりと見渡せる〈葦毛崎(あしげざき)展望台〉と、
商売繁盛・漁業安全の守り神として弁財天を祀る〈蕪嶋(かぶしま)神社〉があります。
社がある〈蕪島〉はウミネコの繁殖地。
社殿に登る階段の手前で傘を借りて行くことを忘れずに。
もしウミネコに「フン(ウン=運)」をつけられたら、
社務所で「会運証明書」をもらうことができます。

旧日本軍の軍事施設を再利用した〈葦毛崎展望台〉。石積みの展望台にも異国情緒が漂います。

旧日本軍の軍事施設を再利用した〈葦毛崎展望台〉。石積みの展望台にも異国情緒が漂います。

八戸では、漁場を教えてくれる弁財天の使いとしてウミネコを大切にしてきたため、〈蕪嶋神社〉では子育てをする約3万〜4万羽のウミネコを毎年3月から8月頃まで見ることができます。

八戸では、漁場を教えてくれる弁財天の使いとしてウミネコを大切にしてきたため、〈蕪嶋神社〉では子育てをする約3万〜4万羽のウミネコを毎年3月から8月頃まで見ることができます。

海岸線10キロメートル圏内にこうした見どころが続く種差海岸エリアは、
環境省が整備した自然歩道「みちのく潮風トレイル」の一部でもあります。

2024年6月に全線開通5周年を迎える「みちのく潮風トレイル」は、
東日本大震災で被災した東北太平洋岸の4県28市町村を結ぶ
青森県八戸市から福島県相馬市まで総距離1000キロメートルを超えるロングトレイル。
海外からも多くのハイカーが訪れています。

特に「みちのく潮風トレイル」の起点終点(トレイルヘッド・エンドポイント)を
有している〈蕪島〉から〈種差天然芝生地〉は、傾斜がゆるやかな道が多いため、
初心者にもおすすめのルート。
車での移動も便利ですが、海風を感じ、
ゆっくりと景色を楽しみながら歩いてみるのも一興です。

〈蕪島〉から〈種差天然芝生地〉までのルートは総距離約8キロメートル、約3時間で歩くことができます。

〈蕪島〉から〈種差天然芝生地〉までのルートは総距離約8キロメートル、約3時間で歩くことができます。

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ラーメン、和食、イタリアン……充実の種差海岸グルメ

景色だけではなく、グルメスポットも充実しているのが種差海岸エリアの魅力。
三陸エリアの名物である「磯ラーメン」や、新鮮な海の幸を生かした和食、
イタリアンなど、さまざまなジャンルのグルメが提供されています。
1日ゆっくりと滞在し、「種差海岸」の食を存分に楽しむのもおすすめです。

〈海鮮料理処小舟渡〉の「磯ラーメン」。ホタテ、ワカメ、ウニなど、八戸自慢の海鮮がたっぷり入っています。

〈海鮮料理処小舟渡〉の「磯ラーメン」。ホタテ、ワカメ、ウニなど、八戸自慢の海鮮がたっぷり入っています。

県産食材や、地元で獲れる海の幸でもてなしてくれる〈ガーデンレストラン・フェザント〉。写真は「焼きサバのピザ」。「アワビパスタ」や「生ウニパスタ」も人気メニューです。

県産食材や、地元で獲れる海の幸でもてなしてくれる〈ガーデンレストラン・フェザント〉。写真は「焼きサバのピザ」。「アワビパスタ」や「生ウニパスタ」も人気メニューです。

JR種差海岸駅のすぐそばにあり、定食や丼類料理が揃う〈和風食事処松家〉。写真は「ウニ丼(卵とじ)」。

JR種差海岸駅のすぐそばにあり、定食や丼類料理が揃う〈和風食事処松家〉。写真は「ウニ丼(卵とじ)」。

葦毛崎展望台のすぐそばにある<ホロンバイル>のソフトクリームは行列ができるほどの人気で、「青森三大ソフトクリーム」のひとつといわれています。

葦毛崎展望台のすぐそばにある〈ホロンバイル〉のソフトクリームは行列ができるほどの人気で、「青森三大ソフトクリーム」のひとつといわれています。

2023年11月には、地域交流施設〈WHARF TANECHI(ワーフタネチ)〉が
〈種差海岸インフォメーションセンター〉のすぐそばにオープン。
自家製ソフトクリームをテイクアウトできたり、おみやげを購入したりできるほか、
自転車レンタルを行っているので、種差海岸エリアの周遊に大助かりです。

〈WHARF TANECHI〉での自転車レンタルは4時間1台2000円〜。種差海岸エリアには種差海岸遊覧バス「ワンコインバス・うみねこ号」も運行していますが、運行本数が少ないため自転車は有効な交通手段です。

〈WHARF TANECHI〉での自転車レンタルは4時間1台2000円〜。種差海岸エリアには種差海岸遊覧バス「ワンコインバス・うみねこ号」も運行していますが、運行本数が少ないため自転車は有効な交通手段です。

2025年には、新たな宿泊施設の開業も予定。
滞在時間も延び、太陽や月の光によって違った表情を見せる
〈種差天然芝生地〉を楽しめそうです。

太陽や月の光によって違った表情を見せる<種差天然芝生地>

ますますにぎやかになりそうな種差海岸エリア。
ここだけの絶景に出会いに出かけてみてはいかがでしょうか。

information

map

種差海岸

住所:青森県八戸市鮫町棚久保

Web:VISITはちのへ

Web:種差海岸インフォメーションセンター

*価格はすべて税込です。

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