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posted:2023.12.12 from:茨城県石岡市 genre:食・グルメ
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writer profile
Riho Nakamori
中森りほ
なかもり・りほ●東京生まれ東京在住のフリーライター/編集者。仕事やプライベートで月に1回以上、地方や海外へ。各地のおいしい食べ物やお酒、素敵なホテルや旅館を発掘するのが趣味。好きな番組は『ブラタモリ』『六角精児の呑み鉄本線・日本旅』。
1823年に茨城県那珂市で創業した〈木内酒造〉。
清酒「菊盛」にはじまり、梅酒、常陸野ネストビールなどその土地ならではの酒を
国内外に届けています。
2016年にはウイスキー事業を開始。
創業200年を迎える2023年に向けて〈日の丸ウイスキー〉〈日の丸ジン蔵風土〉
の生産がスタートしました。
また食と酒を楽しむ場として飲食事業を展開し、関東に〈常陸野ブルーイング〉など
12店舗を運営しています。
木内酒造のある茨城県は、昭和の中頃までは、ビールやウイスキー製造に用いる
二条大麦の日本最大の栽培地でした。
冬から初夏にかけての麦栽培は、その麦からビールの製造に、
そして麦芽粕を飼料として活用する畜産業へ。
一方で、夏から秋にかけての畑では蕎麦や芋を裏作で栽培するなど、
農を中心とした食のリサイクルの輪が確立していました。
しかし、昭和中期に貿易の自由化による麦芽への関税の撤廃が行われると、
日本のビール・ウイスキー製造会社では、廉価な輸入麦芽の使用が中心となり
国産の麦栽培はほぼ壊滅してしまいました。
そのような中木内酒造では、もう一度茨城県の麦栽培を復活させるべく
古代麦「金子ゴールデン」の復元栽培を始めました。
また、ビールやウイスキー製造からの麦芽粕は、県内の畜産農家に供給しており、
ビール粕などを飼料として育った豚・牛などを、
木内酒造の直営レストランの食材として活用しています。
さらに、麦栽培の裏作に栽培する蕎麦は、
自社直営の〈蔵+蕎麦 な嘉屋〉で提供しています。
木内酒造では2020年に国産原料使用による真のジャパニーズウイスキーの製造
および製造規模の拡大を目指し〈木内酒造・八郷蒸溜所〉を稼働させています。
今回、その付属施設として〈八郷蒸溜所 ビジターセンター〉
が2023年11月11日に開業しました。
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施設内には、ウイスキー製造に至るまでの木内酒造の酒造りの歴史や、
地域環境に配慮した循環型の各種取り組みを図や紹介文を交えた展示パネルで紹介する
コーナーをはじめ、これまでに販売してきた数量限定品を含めた
〈日の丸ウイスキー〉の各種ラインナップを購入できる
販売コーナーが設けられています。
また、自社製の生ハム〈常陸野ハム BARREL SMOKE〉と〈日の丸ウイスキー〉を
一緒に楽しめる飲食コーナー、〈八郷蒸溜所〉限定のウイスキーも取り扱い予定で、
いつ訪れても何回も楽しめる、魅力ある空間になっています。
さらに昨年から土日祝に蒸留所内で実施している「試飲付き見学ツアー」(有料)も、
定休日以外のすべての曜日で実施されるようになりました。
今回、八郷蒸溜所 ビジターセンターの開業に合わせ、蒸溜所内の見学コースには、
製造工程ごとに、八郷蒸溜所のウイスキーづくりのこだわりを
わかりやすく図示した解説パネルなどが設営され、ウイスキー製造の様子が
よりわかりやすく観覧できるようになりました。
展示の解説パネルは日本語英語で表記のほか、QRコードを手持ちのスマートフォンで
読み取ることで、中国語や韓国語などさまざまな言語で読むことができます。
八郷蒸溜所 ビジターセンターで見学受付を済ませたら、蒸溜所建屋へと続く
アプローチを、筑波山麓の自然の風や空気を感じながら進んでいきます。
木内酒造の日の丸ウイスキーづくりへのこだわりがいっぱいつまった
見学コースが目の前に。
見学の最後には、日の丸ウイスキーのテイスティングも待っています。
五感すべてを使ってウィスキーの魅力を体感できる新施設、ぜひ足を運んでみては。
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八郷蒸溜所 ビジターセンター
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