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posted:2023.9.30 from:青森県弘前市 genre:食・グルメ
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writer profile
Takeru Kudo
工藤 健
くどう・たける⚫︎埼玉県行田市出身。弘前在住のフリーライター。弘前経済新聞編集長、青森経済新聞監督。東京でサラリーマン向けウェブマガジンのライターなどをしていたが、2012年に地域新聞の立ち上げのために弘前へ移住。りんごジャーナリスト、イギリストーストライター。祖父が五所川原市出身、祖母は青森市出身。いわゆる孫ターン。
X(Twitter):@Takeru_Kudo
リンゴの生産量日本一を誇る青森県弘前市。
80種ものリンゴの品種が約2300本ある「弘前市りんご公園(以下、りんご公園)」で
9月23日、〈弘前シードルダイニング〉が開催されました。
このイベントはリンゴ酒「シードル」と
「津軽あかつきの会」が提供する津軽の郷土料理とのマリアージュを楽しむ企画です。
シードルはリンゴの産地ならではのお酒。
近年は弘前市を中心に津軽地方ではクラフトシードルの醸造所が増えています。
りんご公園にある〈Kimori(キモリ)〉はその先駆け的存在で、
リンゴ農家たちがつくった醸造所。
キモリ社長でリンゴ農家の高橋哲史さんが今回のイベントの案内人を務めます。
津軽あかつきの会とは、地元の女性たちで結成された料理研究ユニットです。
津軽の郷土料理を後世に伝えていこうと発足したため、
彼女たちは、つくる料理を「伝承料理」と呼びます。
普段はランチの予約のみで営業していますが現在、予約は半年待ちとのことです。
弘前シードルダイニングは、りんご公園に集まってからスタートします。
最初に案内された場所は、りんご公園内にある「ふじ」の原木。
案内人の高橋さんはリンゴのできかたや、意外と知らなかったリンゴの生態のことを
丁寧に教えてくれました。
高橋さんによると、リンゴのおいしさは1年、2年、
またはもっと遡った冬の剪定(せんてい)によってすでに決まっているそうです。
また、リンゴの木は人間の手をかけないとおいしくならないことも教えてくれました。
果物として普段目にしたり食べたりするリンゴですが、
高橋さんから聞くお話は知らないことばかりで
10分〜15分の時間だったにも関わらず、あっという間に引き込まれてしまいました。
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興味の尽きないリンゴの話のあとは、
弘前シードルダイニングのメインでもある津軽あかつきの会の料理の登場です。
この日はあいにくの天気で、りんご公園内にある古民家が会場となりました。
本来はリンゴの木に囲まれながら食べることになっていたそうです。
さっそく準備された料理は、品目にすると15品近くありました。
津軽塗の重箱に詰め込まれた料理は、まるで芸術作品のよう。
一品一品はどこか懐かしささえ感じます。
保存料や化学調味料は不使用で、今回の料理では砂糖も使っていないとのこと。
油もほとんど使っていないらしく、たっぷりなボリュームも
ぺろりと食べることができました。
使われている食材は旬のものや青森県産のもの。
津軽あかつきの会の方たちが自分で採ってきた食材もあり、
古くから伝わる食の知恵やアイデアがたくさんつまっていました。
「津軽あかつきの会」の料理をさらにおいしく演出したのはシードルでした。
この日、用意されたシードルは3種。
シードルは日によって違うようですが、甘口、やや甘口、辛口の3種に設定しているとのこと。
辛口のキモリ〈ドライ〉は、なかでも飯(いい)ずしとの相性がバツグンでした。
やや甘口のもりやま園の〈えんシードル〉は、食前酒として飲むとよい印象。
甘口のタムラファームの〈セカンド〔スイート〕グランデ〉は料理と合わせるだけでなく、
そのまま飲んでも何杯でもいけそうな味わいでした。
イベントではリンゴだけでなく、料理やシードルも詳しく聞くことができました。
どのように調理するのか、どのような下ごしらえしたのかなど、
笑顔でわかりやすく解説してくれます。
リンゴ農家や津軽あかつきの会の方々からその場で聞いたり、
お話ができたりすることが最大の魅力なのではと感じました。
参加者の中には詳しく聞いた話を持ち帰り、
家でつくる料理に生かすといったことを話す人もいました。
最後までぜいたくな時間に、お腹も気持ちもいっぱいになりました。
「弘前シードルダイニング」は10月8日(日)と10月21日(土)にも開催予定です。
シードルと伝承料理を青森だからこそのロケーションで楽しんでみませんか?
information
弘前シードルダイニング
*価格はすべて税込です。
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