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北信州にウイスキーとクラフトジンを
製造する〈野沢温泉蒸留所〉が誕生

コロカルニュース

posted:2023.1.23   from:長野県下高井郡  genre:食・グルメ

〈 コロカルニュース&この企画は… 〉  全国各地の時事ネタから面白情報まで。
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Riho Nakamori

中森りほ

なかもり・りほ●東京生まれ東京在住のフリーライター/編集者。仕事やプライベートで月に1回以上、地方や海外へ。各地のおいしい食べ物やお酒、素敵なホテルや旅館を発掘するのが趣味。好きな番組は『ブラタモリ』『六角精児の呑み鉄本線・日本旅』。

歴史的な工場を改装した新たな観光施設〈野沢温泉蒸留所〉

長野県北信州に位置し、ウインターシーズンに盛り上がりを見せる
スノーリゾートの野沢温泉。
この地に2022年12月15日(木)、地元産の食材やボタニカルを使用した
少量生産のシングルモルトウイスキーとクラフトジンを製造する
〈野沢温泉蒸留所〉が開業しました。

野沢温泉蒸留所が位置するのは村の中心部で、
野沢温泉村のアイコン的存在の大湯温泉から徒歩わずか数分の場所。
元々は野菜や食材を缶詰にして保存し、
村を支えていた歴史的な工場を改装して誕生しました。

ギフトショップ、クラフトバーを備える施設では蒸留所ツアー、テイスティング、
マスタークラスなどの体験サービスも提供。
春になると暖かな日差しの中で、桜が美しく咲き、
ハーブガーデンでピクニックを楽しむこともできます。

地元産の植物や原料、新鮮な野沢温泉村の湧き水を使用した
クラフトスピリッツを製造

野沢温泉村の清らかな山水、
地元の植物、原材料を使ったクラフトスピリッツ

野沢温泉蒸留所は、高品質な地元産のスピリッツを生産し、
野沢温泉のコミュニティと密接に協力し、すべての活動において
持続可能な実践をするという3つのコアバリューによって運営されています。

野沢温泉蒸留所がつくり出すのは、野沢温泉村の清らかな山水、
地元の植物、原材料を使ったクラフトスピリッツ。
異なる風味を持つクラフトジンを毎年5万本生産する予定です。
最初のクラフトジンのリリースには、下記の3つのブレンドが含まれています。

〈NOZAWA GIN〉
ジュニパー、シダー、レモンの香りが複雑な後味をもたらす、蒸留所の代表的なドライジン。

〈CLASSIC DRY GIN〉
クラシック・ドライ・ジン 伝統的なロンドン・ドライ・ジンにインスピレーションを受け、
レモンと地元の山椒の香りが引き立つ。

〈IWAI GIN〉
野沢温泉の実りの季節を祝う、桜、梅、りんごの木の繊細なフレーバー。

クラフトスピリッツづくりでは、野沢温泉村の農家と協力して地元産の穀物を生産し、
大麦やその他の原料を輸入する必要性を抑えることに尽力しています。

また、できる限り持続可能で再生可能なエネルギーを使用し、
地元のサプライヤーを雇用して投資を続けていくことを心がけています。

〈野沢温泉蒸留所〉

ヘッドディスティラーの米田勇(サム・ヨネダ)氏は、
「今回、新たに3種類のクラフトジンを発売することで、野沢温泉のスピリット、
魅力、自然の素晴らしさを世界に発信していきたいです」と語っています。

クラフトスピリッツには野沢温泉村の自然のすばらしさと資源に触発され、
丁寧に選んだ季節の地元産の食材を使用されています。

米田氏は、野沢温泉村が世界レベルのウィスキー、クラフトジン、その他のスピリッツを
製造する革新的な蒸留プログラムを開発するのに最適な環境であると考えました。

「蒸留酒の世界では、ほとんどの人が『水が最も重要な原料である』と言います。
この村のどこにいても、谷を流れる川の音が聞こえ、
地元の湧き水をそのまま飲むことができ、土地の生命力を吸収することができます」。

2021年10月に初めて野沢温泉村を訪れたことを振り返り、米田氏は
「山、森、川 に囲まれた緑の風景は、瞬時に故郷のスコットランドを思い起こさせました。
家族と一緒に山を登り、森の中を歩いていると、土やスパイスの香りが
ふんだんに感じられ、植物学者や採集家のパラダイスでした」と語っています。

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野沢温泉の火祭りをイメージした「道祖神ブレンド」など限定品も予定

ギフトショップ、クラフトバーを備える施設

蒸留所のウイスキープログラムは、少量生産と多様な樽熟成プログラムを通じて、
量より質を重視し、豊かで複雑なスピリッツを生み出します。

スモールバッチ、シングルモルトウイスキーは、年間300樽、
約10万本の生産量に拡大する予定です。
生産されたウイスキーの大部分は、豊かで複雑なウイスキーになるまで
樽に貯蔵され、熟成されるそう。

蒸留酒は、〈CARL社〉(ドイツ)や〈Knapp社〉(タスマニア)の
スチル蒸留機など、最新の設備を用いて製造されます。

野沢温泉村の冬

また、野沢温泉村の四季の移り変わりに合わせて、季節ごとの商品リリースを予定。
毎年開催される火祭りをイメージした「道祖神ブレンド」など、
地域とのコラボレーションも予定しており、火祭りの募金活動にも協力するそう。

さらに、新しく蒸留されたクラフトジンは、
全国の一部の施設や販売店で販売される予定です。
また、蒸留所のグランドオープンに合わせて、東京の〈銀座NAGANO〉では、
長野県産の農産物やスピリッツ、グッズを集めた専用スペースで製品が紹介されます。

今後ガーデンテラスが設置されるほか、少量生産のウイスキーや
その他のスペシャルティ・スピリッツなど、
製品ラインアップも拡充予定の野沢温泉蒸留所。
野沢温泉に行く際には、ぜひ立ち寄りたいところです。

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〈野沢温泉蒸留所〉

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