news
〈 コロカルニュース&この企画は… 〉
全国各地の時事ネタから面白情報まで。
コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。
editor profile
コロカル編集部
コロカル編集部の編集スタッフです。
credit
撮影:山本嵩
もういくつ寝ると2023年。
皆さんは今年どんなお買い物をしましたか?
今回は、コロカル編集部のスタッフに「今年のベストバイ」を聞いてみました。
首都圏以外の地域を生活のベースにしている人も多く、
さらに出張で全国津々浦々歩き周り、
ローカルの“いいもの”に対して、ことさら敏感なコロカル編集部のメンバーが選んだ、
今年買ってよかったもの、人におすすめしたいものとは?
〈カエルデザイン〉は石川県金沢市発のプロジェクト。
障がいのある人たちとともに、
海洋プラスチックとフラワーロスを中心にさまざまな廃棄物をアップサイクルしているそう。
私が買ったのは海洋プラスチックをアップサイクルしたヘアゴムです。
オレンジとグリーンっぽいカラーの組み合わせがかわいくて、
髪を結ぶときアクセントになってくれます。
商品の台紙もFSC認証の紙で、
その裏面には海洋プラスチックごみを拾った場所が記載されていました。
2050年には海洋プラスチックが魚を上回るという研究もありますが、
ごみが資源になりアップサイクルされて、きちんと値段がつき、
使う人が増えれば、ごみを拾う人も増えるかもしれません。
いずれは、このプロダクトがつくられない=海洋プラスチックがないときがくるのが
理想なのだと思いますが……。
買い物をとおして、こうしたプロジェクトを応援していきたいです。
編集・栗本
全国のつくり手・伝え手・使い手の3つの手が集う
〈ててて商談会〉で出合った、愛知県瀬戸市〈瀬戸まねき猫〉さんのつくる瀬戸焼キーホルダーです。
日本六古窯のひとつに数えられる瀬戸焼は、
古瀬戸(ふるせと)と呼ばれる釉薬を全体に施した技法で、約1000年の歴史があるそう。
その古瀬戸と、明治30年代後半にヨーロッパから導入された石膏型の技法を応用した
〈古瀬戸型招き猫〉を元に誕生したのが、この〈瀬戸まねき猫〉。
陶器のキーホルダーとは、勇気のいる買い物だ! と思いながらも、
つるんとした手触りと本物のような座り姿に、愛猫心をぐっと掴まれました。
ここ数か月帯同していますが、
招き猫を連れていると思うといつもより身振りが落ち着くような気が……。
一般的に右手はお金、左手は多くの人を呼び込むといわれる招き猫。
私は来年も、新潟市にある〈上古町の百年長屋SAN〉の運営を軸に、
多くの人に出会いたいと左手を選びました。
編集・金澤
新潟県ポータルサイト『新潟のつかいかた』でご紹介した
蒔絵師・佐藤裕美さんが手がける〈宙(そら)COCORO〉。
ステンレスのお猪口に蒔絵の技術で宇宙を描きます。
1830年創業の〈林仏壇店〉6代目の佐藤さんは、
初代・惣二郎から続く「惣」の字を襲名し、〈惣MONO COCORO〉として起業。
ネイルやギターに蒔絵を施したり、
打ち刃物や漆器などの伝統工芸同士のコラボ作品をつくったりと、
蒔絵の可能性を広げています。
以前、内閣府のシンポジウム「地域で活躍する女性たち」のパネリストとして
佐藤さんを推薦させていただき、
その流れで発表スライドを作成することに。
取材を通して、この酒器ができあがるまでの苦難を知りました。
女性であり、妻であり、母であり、6代目であり、イラストレーターでもある佐藤さん。
絵の師匠やご家族の助けをもらい、苦難を乗り越えチャレンジした、
その結晶がこの作品なのです。
たまに落ち込んだ時は、宇宙を眺めながら一献。なんだか勇気が湧いてきます。
ディレクター/プロデューサー・山尾
大分県の魅力を発信するポータルサイト『エディット大分』の取材で
〈Oita Made〉を訪れた時に
この〈甲斐のぶお工房〉の存在を知りました。
こちらの工房がつくる木工カトラリーは
「先の尖ったフォークでも危険性を感じさせないデザインを心がけている」
という言葉どおり、やさしくてやわらかなフォルムが魅力です。
なかでもこの通称「さかなフォーク」は、
愛嬌がありつつ洗練されたシャープなカタチにひと目惚れ。
柿やリンゴなど果物によし、切って刺しての羊羹の類によし、と、
使い勝手もばっちりなのだけれど、
やっぱりなによりもこの絶妙に愛らしいカタチが食卓にあることに小さな幸せを感じます。
編集長・松原
石川県金沢市で木と漆の作品を手がける作家・奥の麻衣子さんによる〈そら豆皿〉。
奥のさんの作品を初めて知ったのは、
コロカルで金沢市の工芸とグルメのイベント「乙女の金沢 春ららら市」の
ツイートレポート企画を担当していたときでした。
奥のさんもそのイベントの出店者だったのですが、
奥のさんのとある漆作品のツイートを偶々目にしました。
それが「栗」をモチーフにした小筥(こばこ)の漆器。
ぽてっとした栗の佇まいがなんともいえず印象的で、
これを目にしてから、奥のさんの作品に注目するようになりました。
木地を挽くところから手がけられており、
ときおりインスタグラムでその木地が紹介されることもあります。
それを眺めるだけでも楽しい。
漆器というと凛としているイメージのものも多いですが、
奥のさんが手がける漆器はそれとはまた違って、
かわいらしさというかどこか愛嬌を感じる作品が多いと思います。
フォルムだったり、モチーフだったり、絵柄だったり。
その愛嬌のおかげで、食器としてだけじゃなくてもいろいろな使い方ができると思います。
わが家ではこのそら豆皿には、酒のつまみばかりがのっかっています。
デザイナー/エンジニア・絹川
Page 2
リモートワークが増えたためメガネを新調しようとしたものの、
なかなか似合うものがなく途方に暮れていたところ、
〈CONTINUER NIHOMBASHI〉の店員さんからすすめられたのが
〈MASAHIRO MARUYAMA〉のクリアブラウンのメガネでした。
メガネのまち福井県鯖江市の老舗工房でつくられている
MASAHIRO MARUYAMAのメガネは、手描きの線による非対称デザインが特徴。
デザイナーの丸山正宏氏が描くデザインのニュアンスやこだわりを形にするためには、
素材と加工に関する知識と技巧が必要とされるのだといいます。
わずか数十グラムの中に、
その熟練職人だからこそ成し得る世界観が実現されていると思うとグッときますね。
MASAHIRO MARUYAMAは素材使いと形が非常に個性的で、
モードに振り切っている印象ですが、
こちらの〈cut〉シリーズはカジュアルに使えそうだと思い選びました。
切り落とされたフレームやネジの星型など、ディテールも美しい。
長くお付き合いをしたいメガネです。
編集・海老原
広島県を代表する世界的家具メーカーといえば〈マルニ木工〉。
アメリカ・カリフォルニア州のアップル本社に数千脚が納品されたというから
“世界的”というのにも納得がいきます。
マルニの技術を世界に向けて発信しようと、プロダクトデザイナー・深澤直人氏が手がけ、
アップルの最高デザイン責任者のジョナサン・アイブの目に止まったのが
〈HIROSHIMAアームチェア〉です。
「マルニ木工といえば、HIROSHIMA」なんですが、
マルニ木工を世界的ブランドに育てた立役者がもうひとり。
ジャスパー・モリソン氏です。
取材で広島のマルニ木工ショールームを訪れた際、ぼくの目に止まったのが、
ジャスパー・モリソン氏が手がけた〈Fugu〉というモデルです。
マルニ木工が得意とする無垢の削り出し加工によって、
丸みをおびた背もたれやアーム形状が特徴的で、
どんな体勢でもずっと座っていたいような座り心地です。
アームチェア、ロビーチェア、ラウンジチェアと座面の幅によってサイズ展開があり、
肘かけのあり・なし、素材も選ぶことできるので、
ぼくはショールームで座り倒して
〈Fugu ロビーチェア(肘付)〉を購入しました。
編集・卓立
鹿児島に行った際には毎回立ち寄る〈すすむ屋茶店〉さん。
鹿児島のお茶ならではの濃厚で甘みのあるお茶をたっぷりいただきながら、
おいしいおやつが味わえるお気に入りのお店です。
「最高の日本茶体験を」とうたわれるお茶の味はさることながら、
特筆すべきはパッケージデザインやオリジナルグッズ。
地元鹿児島のしょうぶ学園のアートワークをあしらったパッケージや紙袋、
自社開発の茶具や小物など、目移りしてしまうすてきなものばかり。
そのなかで個人的に買ってよかったものは、「癒し」「きりかえ」など
シーンに合わせてネーミングされた全6種類の〈日本茶ティーパック〉。
〈パピエラボ〉さんデザインのパッケージで1包だけでも様になり、
職場への気軽なおみやげにもぴったり。
気分にあわせて選んでもらえる楽しみもあり、気の利いた一品に。
ただ関東の水だとどうしてもさっぱりしてしまう感じがあり、
霧島の水などを買って淹れたほうが現地の味に近づく気がしておすすめです!
編集部・中西
以前仕事で訪れた滋賀県湖南市で出合った商品です。
名産品である「弥平とうがらし」の加工商品ブランド〈ぴりり〉を製造販売する代表の釘田和加子さんは、
しばらくインドに滞在されていた方で、
弥平とうがらしを使用したビリヤニキットを商品化しました。
キットの内容は弥平とうがらしを含むスパイス各種と、
香り豊かなバスマティライス。
チキン、タマネギ、パクチー、ヨーグルトなどを別途用意し、
レシピ通りに調理するだけでレストラン・クオリティのチキンビリヤニができます。
仕上がりの量も約3〜4人分で十分ですし、
付け合わせにはお酢が効いた南蛮漬けなどがおすすめです。
営業・山田
〈ドメーヌ・テッタ〉のワインは、コロカルの取材で岡山に行った時に出合いました。
岡山市内のレストランで2015年のシャルドネを飲んだのが最初だったと思いますが、
驚いたことにフランスワインの味がしたのを覚えています。
聞けば、岡山県新見市哲多町の石灰岩の土壌に、
フランス式の垣根仕立てでシャルドネを栽培しているワイナリーだとか。
当時、日本全国に新しいワイナリーが続々と立ち上がっていましたが、
観光振興のために甘いワインや薄いワインを造っているところが多いなかで、
テッタはフランス式の醸造技術で品質指向のワイン造りに取り組んでいます。
当時、テッタのワインは、生産量も少なく、ほとんど市場には流通しておらず、
一部の飲食店でしか飲めませんでした。
以来、備前市や和気町など、岡山に行くたびに現地で試してきたのですが、
2022年、なんと東京都内の地元のワインショップに並んでいるのを発見、
一も二もなく購入。推しの日本ワインが成長してうれしい限りです。
ドメーヌ・テッタ
プロデューサー・高木
◇ ◇ ◇
2023年もいいものとの出合いがありますように!
来年も『コロカル』をよろしくお願いします!
Feature 特集記事&おすすめ記事