colocal コロカル マガジンハウス Local Network Magazine

連載の一覧 記事の検索・都道府県ごとの一覧
記事のカテゴリー

news

〈松本十帖〉長野県松本市浅間温泉の
復興プロジェクト。
ただ再生するのではなく
「地域の核として蘇らせる」

コロカルニュース

posted:2022.9.11   from:長野県松本市  genre:旅行 / 活性化と創生

〈 コロカルニュース&この企画は… 〉  全国各地の時事ネタから面白情報まで。
コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。

writer profile

Kanae Yamada

山田佳苗

やまだ・かなえ●島根県松江市出身。青山ブックセンターやギャラリースペース、ファッション・カルチャー系媒体などを経て、現在フリーのライター、編集者として活動中。まだまだ育ち盛り、伸び盛り。ファッションと写真とごはんが大好きです。

松本十帖の外観。

老舗旅館をフルリノベーション

「松本の奥座敷」と呼ばれ、日本書紀にも登場する
開湯1300年以上の歴史ある長野県の浅間温泉。
古くは一般市民をはじめ、殿様から文化人まで
さまざまな人々の心身を癒してきました。

小柳の敷地から見える5世紀の古墳では、
王冠や勾玉が出土し、信濃の大小名が集まる国府的なものがあったりと、
神秘的な地力を宿す温泉地でもあります。

そんな浅間温泉を代表する老舗旅館〈小柳〉は、
人々の寄り合いの場として機能した過去があり、まちの核となる旅館。
しかし近年は後継者不在、2棟のホテルも過大債務で廃業が危ぶまれていました。

それを新潟県南魚沼市で〈里山十帖〉を営む〈自遊人〉が継承。
ただ再生するのではなく、「地域の核として蘇らせる」ことを目的に、
地域全体の経済を盛り上げる「エリアリノベーション」を実践。
観光と経済、双方から注目を集める施設を目指し、
2022年7月23日に〈松本十帖〉として新たなスタートを切りました。

小柳之湯

小柳之湯

新たな価値と命を吹き込み、
地域の未来を担うプロジェクトにするため、
中央棟を解体撤去し、ふたつの客室棟と浴室棟を
スケルトン状態に戻して一からフルリノベーション。
過去の配置にならい、ホテルは中央棟を解体し跡地に「小柳之湯」を復活させ、
東西に棟があるかたちでリノベーションされました。

Page 2

そのほか、エリアにはふたつのレストランや3つのカフェ、
本屋、ショップ&ベーカリー、醸造所をオープン。
日帰りも可能な外部に開かれた施設です。

自家醸造のハードサイダー(シードル)も開発。

自家醸造のハードサイダー(シードル)も開発。

この計画には、自遊人はもちろん、
〈SUPPOSE DESIGN OFFICE〉や〈スキーマ建築計画〉、
〈ノングリッド/デザインムジカ〉などのクリエイターも参画。
持続可能な温泉街、持続可能な地方都市をテーマに、
彼らが加わることでより多様に、豊かなプロジェクトとなりました。

自遊人とクリエイターたちの力が集結し、
クールなオープンを飾った松本十帖。
ここを拠点に、まちはどのような発展を遂げていくのでしょう。

information

map

松本十帖
(松本本箱、小柳、ダイニング、カフェ、ショップ等の総称)

所在地:長野県松本市浅間温泉3-13-1 ほか

ホテル客室数:松本本箱24室、小柳14室

料金:松本本箱26752円~、小柳23888円~(2名利用時の1名あたり1泊2食料金)

tel:0570-001-810(12:00~17:00)

Web:松本十帖 公式サイト

*価格はすべて税込です。

Feature  特集記事&おすすめ記事