news
posted:2022.5.16 from:佐賀県嬉野市 genre:食・グルメ
〈 コロカルニュース&この企画は… 〉
全国各地の時事ネタから面白情報まで。
コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。
writer profile
Mayo Hayashi
林 真世
はやし・まよ●福岡県出身。木工デザインや保育職、飲食関係などさまざまな職種を経験し、現在はフリーランスのライターとして活動中。東京から福岡へ帰郷し九州の魅力を発信したいとおもしろい人やモノを探しては、気づくとコーヒーブレイクばかりしている好奇心旺盛な1984年生まれ。実家で暮らす祖母との会話がなによりの栄養源。
初夏、新茶の季節が巡ってきました。
九州では最南の鹿児島から新茶前線が北上し、
5月の「八十八夜」の頃に茶摘みの最盛期を迎えます。
佐賀県嬉野市は、古くからのお茶の産地。
今回紹介するのは、嬉野でお茶づくりを営む
若手茶農家16名が立ち上げた〈グリーンレタープロジェクト〉です。
いったいどのような取り組みなのでしょうか?
新緑の茶畑が美しい茶摘み風景。
嬉野では4月下旬頃から新茶の収穫が始まる。
2019年発足のグリーンレタープロジェクトは、
今年で4年目を迎えます。
「嬉野に来た方々が旅先から大切な人へ
手紙を書くようにお茶を送ってもらえたら」
そんな思いから、20〜40代の若手茶農家が集まり、
グリーンレタープロジェクトが始まりました。
国内のお茶の市場は、お中元・お歳暮などの贈答用や
家庭用茶葉の需要の減少で厳しい状況といわれています。
「お茶を贈る文化を、新しいかたちで伝えたい」
プロジェクトの代表を務める三根孝之さんはそう話します。
左からグリーンレタープロジェクト代表の三根さん、企画コーディネーターとしてフリーで活動する〈トラの巻〉高尾道子さん。
プロジェクトの始まりは三根さんと高尾さんとの出会いから。
高尾さんは、
「5年くらい前に佐賀県の農業支援機関に
コーディネーターとして東京から来ていた私が、
茶業の未来に不安を抱えつつ、
“いままでのような流通では限界が来る。
生産者である自分たちも販売していかなければいけないが、
茶畑を空けすぎては意味がない”という三根さんの言葉に
心を打たれたのが始まりだった」と当時を振り返ります。
三根さんの思いに応えたいと、
自分たちの手の届く範囲で「手紙としてお茶を贈ること」を企画。
その後、高尾さんは県の地域活性部門への転職を機に、
「この提案は観光地である嬉野の特徴としても生かせると思い、
地域の取り組みとして実践していってはと提案しました」と話します。
現在は嬉野の旅館と連携し、専用ポストを設置して
グリーンレターを旅先から送れるようにするなど、
プロジェクトは着実に広がりをみせています。
Page 2
切手を貼ってポスト投函ができるグリーンレター。写真はお茶3種と郵送パッケージのセット 1080円(税込)
当時、プロジェクト立ち上げにあたって
嬉野茶業青年会でグリーンレターの構想を伝え、仲間を募った三根さん。
予想を上回る16名の茶農家が賛同し、
プロジェクトは本格的に始動します。
「それだけの人が賛同してくれたのは信頼を置かれる
三根さんの人柄もあったと思います」(高尾さん)
〈三根孝一緑茶園〉の5代目となる孝之さんは茶業を受け継ぐなかで「嬉野の産地を残したい」という思いを強く抱いていたという。
うれしの茶とひと括りに言っても、
茶農家それぞれに栽培している品種も違い、
土地づくりや肥料など栽培方法のこだわりもさまざま。
また嬉野はまとまった面積の茶畑をつくることが難しく、
山間の段々畑、平地の隙間をぬって茶畑がつくられているといいます。
「平地で一度に100採れるものが、
嬉野では10か所×10ずつほど。
畑の管理や摘み取りに手間暇がかかるため、
若い農家も嬉野の外に畑をつくるケースも増えています。
でも嬉野の風土、地形だからこそ、いい味わいのお茶ができるんです」(三根さん)
個性豊かな16種類。蒸し製玉緑茶・釜炒り茶・ほうじ茶・紅茶など。
それぞれの茶農家の個性が溢れる、グリーンレター 。
5gの一煎入り茶葉がパッケージングされているので、
作り手による味わいの違いを楽しめるのが魅力です。
栽培品種、樹齢、オススメのお茶の淹れ方や
「生産者からの一言」もパッケージに記載されていて、
どんなお茶か味わう前からワクワクしますね。
さらにプロジェクトメンバーの子どもたちが
描いたというパッケージも色鮮やかでかわいらしい!
パッケージは佐賀県出身のアーティストであるミヤザキケンスケさんの協力のもと、茶農家や地域の子どもたちが参加して思い思いに描いた絵を採用。
子どもたちも真剣そのもの。
多くの茶農家もそうであるように、
嬉野でも後継者不足や産地継続など、
次世代に継承していくための課題もさまざま。
「うれしの茶を守りたい」
その思いは農家全体の願いでもあり、
嬉野のお茶づくりを担う子どもたちへのバトンとなるでしょう。
Page 3
山間部に茶畑が点在する嬉野。なだらかな山間で霧深く、昼夜の温度差があることや日照量などの条件がお茶の栽培に適している。
佐賀県南西部の嬉野市から、
長崎県東彼杵町の地域で生産されるうれしの茶。
室町時代に唐人により伝えられ
お茶の自家栽培が始まったとされる嬉野には、
長いお茶づくりの歴史が積み重なっています。
うれしの茶交流館〈チャオシル〉に展示してある昭和頃の茶摘み風景。家族や地域の住民総出で手摘みを行っていた。
現在の主流は乗用型摘採機や可搬式摘採機での収穫。この時期の炎天下での作業はなかなかに厳しい。
深い緑の水色が特徴のうれしの茶。香り豊かで濃厚な味わい。
家族や友人に手紙を送るように、
気軽にうれしの茶を贈ることができるグリーンレター。
九州・嬉野の地から、新緑の香りが届きます。
お求めはこちらのオンラインショップで、
最新情報はインスタグラムをチェック!
真夏もすぐそこまで。
ぜひうれしの茶で憩いの時をお過ごしください。
information
Green Letter Projest
Web:オンラインショップ
インスタグラム:@ureshino.tea
*価格はすべて税込です。
Feature 特集記事&おすすめ記事