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posted:2021.9.17 from:富山県富山市 genre:旅行
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writer profile
Saori Nozaki
野崎 さおり
のざき・さおり●富山県生まれ、転勤族育ち。非正規雇用の会社員などを経てライターになり、人見知りを克服。とにかくよく食べる。趣味の現代アート鑑賞のため各地を旅するうちに、郷土料理好きに。
富山県の中央を流れる清らかで水量の多い神通川を臨む場所に、
2022年秋、3棟4室のアートヴィラ
〈ONEBIENT神通峡(ワンビエント じんづうきょう)〉がオープンします。
『ミシュランガイド北陸2021』で
4パビリオンの旅館として紹介された〈リバーリトリート雅樂倶〉に隣接し、
施設としても連携するアートヴィラ〈ONEBIENT神通峡〉は
どのような宿泊が体験できるのでしょうか。
〈ONEBIENT〉は、人のいない静けさの中で、
その時、そこにしかない世界に没入することができるアートヴィラです。
光や⾵、⽔、土、草木といった自然の要素を、
建築とテクノロジーの両面から拡張。
その土地が持つ特有の自然現象を用いて、
その場所だけの「新しい環境」をつくり出します。
ヴィラの設計を担当するのは、建築家の浜田晶則氏とアーティストの穴井佑樹氏。
2人が共同で生み出すのは、建築とアート、そして自然を融合させ
自然環境へより深く没入することを促す空間です。
〈ONEBIENT〉の特徴は、新しい環境の体験だけではありません。
自然エネルギーを建築の内部に取り込むことで、常に室内環境の快適性を維持。
一般の電力供給には頼らず、太陽光発電や薪ボイラーを活用することで
完全オフグリッドを目指します。
さらに施設の運営には独自の統合制御システムを導入。
存在を意識できないほど周囲の環境に溶け込むカームテクノロジーの開発により、
宿泊にまつわるさまざまなサービスが無人化されます。
これら全てによって、宿泊者にまったく新しい没入型の宿泊体験を
提供することになっています。
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その〈ONEBIENT〉の第1弾となるのが〈ONEBIENT神通峡〉です。
富山の地が持つ3つの環境特性、
「多湿」「本州一の多様な植生」「名水」に着目。
それぞれの自然現象を表現した3棟4室のアートヴィラが準備されています。
〈雲庭 -kumoniwa-〉と名づけられたヴィラは、
霧を人工的に発生させるシステムを用い、
空間一体がまるで “雲海”に包まれているような客室です。
風や雨を受けて雲が揺らぐことで、自然の移ろいが空間の表情を変えていきます。
浮遊するような感覚が得られ、雲の上を泳ぐかのような体験ができます。
〈宿森 -yadomori-〉は多様な植物の生態系に包まれる、温室のような客室です。
ETFE膜(高性能フッ素樹脂フィルム)を建築全体の壁面に採用するのは
国内の宿泊施設では初めてのこと。
通風・空調や採光をテクノロジーで自動制御することで、
内部の環境や生態系を安定させます。
〈川吟 -kawautai-〉は空間一体を岩で覆った客室。
室内では川の波紋が絶えず揺らぎ、
ほのかな光が差す川底で過ごしているかのように感じることができます。
システムが人の出入りを認識して、エントランスでは水の雫が静かに光るなど、
ヴィラの中ではまるで水と共に過ごすような時間を感じることができます。
また、宿泊者は別棟に準備される特別なアートサウナも楽しむことができます。
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〈ONEBIENT神通峡〉はミシュラン・ガイド評価で、
富山唯一の4レッドパビリオンを獲得した実績のあるホテル
〈リバーリトリート雅樂倶〉に隣接し、連携もはかられます。
〈リバーリトリート雅樂倶〉にあるミシュラン一つ星の
フレンチガストロノミー〈Trésonnier(トレゾニエ)〉、
富山の食材をふんだんに使用した懐石料理の名店〈和彩膳所 樂味(らくみ)〉は、
〈ONEBIENT 神通峡〉のパートナーレストランとして
宿泊客に開かれることになっています。
さらに車で50分ほどの魚津市内にある〈hamadaya LABO〉も、
パートナーレストランとして名を連ねます。
サスティナブルな食を提供するミシュラングリーンスターを獲得した
地方創作料理の名店です。
〈ONEBIENT 神通峡〉の滞在中には、フレンチ、懐石、そして創作料理と
いずれをとっても新鮮で味わい深い食材の宝庫、富山の味を存分に
楽しむことも可能です。
2022年秋の〈ONEBIENT神通峡〉オープンを皮切りに、
滋賀県大津市、比良の伝統集落にも新たなアートヴィラを開業する予定とのこと。
建築とアート、自然とテクノロジーが融合したアートヴィラで
感じる全く新しい宿泊体験と、そこから広がる可能性の広さに、
2022年秋の開業が待ちきれないという人も少なくないかもしれません。
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〈ONEBIENT神通峡〉
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