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〈京都市京セラ美術館〉
現存する日本最古の歴史ある公立美術館建築がリニューアル。
充実の2大展覧会が開催中

コロカルニュース

posted:2020.8.20   from:京都府京都市  genre:アート・デザイン・建築

〈 コロカルニュース&この企画は… 〉  全国各地の時事ネタから面白情報まで。
コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。

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Kanae Yamada

山田佳苗

やまだ・かなえ●島根県松江市出身。青山ブックセンターやギャラリースペース、ファッション・カルチャー系媒体などを経て、現在フリーのライター、編集者として活動中。まだまだ育ち盛り、伸び盛り。ファッションと写真とごはんが大好きです。

中村大三郎『ピアノ』1926年 京都市美術館蔵

1933年に〈大礼記念京都美術館〉として創建し、87年の歴史を受け継ぎ、
2020年5月に新たな美術館として生まれ変わった〈京都市京セラ美術館〉。

新旧のデザインが融合し、さらなるパワーを秘めた同館では、
現在見応えのある2大展覧会が開催されています。

杉本博司大個展。世界初公開のカラー写真作品も

『OPTICKS 008』2018 © Hiroshi Sugimoto / Courtesy of Gallery Koyanagi

『OPTICKS 008』2018 (C)Hiroshi Sugimoto / Courtesy of Gallery Koyanagi

新たに新設された東山キューブで現在開催されているのは、
かの世界的現代美術家、杉本博司の個展『杉本博司 瑠璃の浄土』。

1970年代より、大型カメラを用いた高度な技術と
独自のコンセプトによる写真作品を制作し、世界で高い評価を得てきた杉本。

自身も所縁のある京都で初の大規模な個展となる今回は、
現代における人々の魂が向かう場所としての浄土の観想や、
今果たされるべき再生とは、といった問いから、
「瑠璃の浄土」のタイトルのもと、仮想の寺院の荘厳を構想。

『仏の海 001』1995 © Hiroshi Sugimoto / Courtesy of GalleryKoyanagi

『仏の海 001』1995 (C)Hiroshi Sugimoto / Courtesy of GalleryKoyanagi

『硝子の茶室 聞鳥庵』2014 ©Hiroshi SugimotoArchitects: New Material Research Laboratory / Hiroshi Sugimoto + TomoyukiSakakida. Originally commissioned for LE STANZE DEL VETRO, Venice /Courtesy of Pentagram Stiftung & LE STANZE DEL VETRO.

『硝子の茶室 聞鳥庵』2014(C)Hiroshi SugimotoArchitects: New Material Research Laboratory / Hiroshi Sugimoto + TomoyukiSakakida. Originally commissioned for LE STANZE DEL VETRO, Venice /Courtesy of Pentagram Stiftung & LE STANZE DEL VETRO.

新作となる京都蓮華王院本堂(通称 三十三間堂)中尊の大判写真を含む『仏の海』や、
世界初公開の大判カラー作品『OPTICKS』シリーズといった
写真作品の大規模な展示を行うほか、
「京都」「浄土」「瑠璃ー硝子」にまつわるさまざまな作品や考古遺物が登場。
屋外の日本庭園には『硝子の茶室 聞鳥庵(モンドリアン)』も
設置(2021年1月31日〜)され、
最新の杉本ワールドを大いに体感できる内容となっています。

information

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杉本博司 瑠璃の浄土

会期:〜2020年10月4日(日)

会場:京都市京セラ美術館 新館 東山キューブ

住所:京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124

時間:10:00〜18:00 ※事前予約制

入場料:1,500円

休館日:月曜日 ※祝日の場合は開館

Web:https://kyotocity-kyocera.museum/exhibition/20200321-20200614

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京都の美術、250年の歴史を観る

石崎光瑶『春律』1928年 京都市美術館蔵

石崎光瑶『春律』1928年 京都市美術館蔵

また、本館で開催中の『京都の美術 250年の夢 最初の一歩:コレクションの原点』では、
〈京都市京セラ美術館〉の前身となる〈大礼記念京都美術館〉の
スタートを飾った貴重な初期コレクションとなる
所蔵作品47点(1926年〜1934年制作)を一挙に展示。

岡田三郎助『満州記念』1933年 京都市美術館蔵

岡田三郎助『満州記念』1933年 京都市美術館蔵

石本暁曠『在りし日の黙雷禅師』1933年 京都市美術館蔵

石本暁曠『在りし日の黙雷禅師』1933年 京都市美術館蔵

五代清水六兵衞『大礼磁仙果文花瓶』1926年 京都市美術館蔵

五代清水六兵衞『大礼磁仙果文花瓶』1926年 京都市美術館蔵

日本画22点、洋画10点、彫刻5点、工芸10点と、
開館記念展となった大礼記念京都美術展や第15回帝展、
第21回院展の出品作から美術館が購入した作品38点に加えて、
美術館建設を推進した大礼奉祝会や作家から寄贈された作品9点が登場します。

2020年10月10日(土)からは、
当初第1部〜3部の構成で開催予定だった展示を“総集編”として再編成。

作家は、明治維新から100年前の江戸後期に大活躍していた伊藤若冲、与謝蕪村らや、
明治から昭和にかけて京都画壇を盛り上げた竹内栖鳳、上村松園ら。
そして戦後から現代にかけて革新的な日本画を創造した
小野竹喬、福田平八郎、堂本印象などがラインナップ。

“総集編”では250年もの京都の美術の歴史を飾った名作に出会えます。
ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

information

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京都の美術 250年の夢 最初の一歩:コレクションの原点

会期:開催中 2020年9月6日(日)まで

会場:京都市京セラ美術館 本館 北回廊1階

住所:京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124

時間:10:00〜18:00 ※事前予約制

入場料:1,000円

休館日:月曜日 ※祝日の場合は開館

Web:https://kyotocity-kyocera.museum/exhibition/20200321-1206-2

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京都の美術 250年の夢 第1部〜第3部 総集編 ー江戸から明治へー

会期:2020年10月10日(土)〜12月6日(日)

 前期:2020年10月10日(土)〜11月8日(日)

 後期:2020年11月10日(火)〜12月6日(日)※前期・後期で作品が大幅に入れ替わります。

会場:京都市京セラ美術館 本館北回廊1階・2階

住所:京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124

時間:10:00〜18:00 ※事前予約制

入場料:1,600円

休館日:月曜日 ※祝日の場合は開館

Web:https://kyotocity-kyocera.museum/exhibition/20201010-1206

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