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posted:2020.1.22 from:福岡県北九州市 genre:活性化と創生
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writer profile
Yu Miyakoshi
宮越裕生
みやこし・ゆう●神奈川県出身。大学で絵を学んだ後、ギャラリーや事務の仕事をへて2011年よりライターに。アートや旅、食などについて書いています。音楽好きだけど音痴。リリカルに生きるべく精進するまいにちです。
日本には、全国に8万社以上もの神社があります。
ところがいまでは、神社へいくのは初詣のときぐらい、という方も。
存続が難しくなっている神社も少なくないのが実状です。
今回ご紹介するのは、九州の最北端にある〈和布刈神社(めかりじんじゃ)〉。
第32代神主、高瀬和信さんが神社の再建に向けて精力的に活動されています。
その取り組みのひとつが、麻織物の老舗であり、
生活雑貨のブランドを全国で展開する〈中川政七商店〉の
コンサルティングによるリニューアル。
2019年12月に、晴れてお披露目が行われました。
こちらが、新しくなった授与所です。
和布刈神社の創建は、約1800年前。
関門海峡に向かって鎮座し、潮の満ち引きを司る
月の女神「瀬織津姫(せおりつひめ)」を祭る神社です。
瀬織津姫は、穢れ(けがれ)を祓う禊(みそぎ)の神様、
潮の満ち引きを司る「導きの神様」ともいわれています。
今回のリニューアルでは、この「導き」をキーワードに、
神紋、授与所、御守などを新装しました。
授与所のコンセプトは「影と光」。
御祭神である瀬織津姫は、もともと天照大神の荒魂
(神の荒々しい側面、陰の部分)であることから、
授与所内も影と光の陰影を表現しているのだとか。
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今回のリニューアルでは、参拝する人の心を「導く」
手助けをするものとして、授与品もリニューアル。
こちらは、「満珠御守」と「干珠御守」。
和布刈神社の御神宝である「満珠・干珠」をモチーフにしています。
白い色には再生や始まりという意味があるのだそう。
「五行御守」は、自然を崇拝する五行思想に基づき、
叶えたい願いによって5種の内符(木札)から
ひとつ選び、御守袋に納めてくれます。
「一年幸ふくみくじ」は、関門海峡名物の
ふぐに見立てた、ユニークなおみくじ。
釣り竿でふくみくじを釣ることで、神のお告げをいただく仕掛けになっています。
さらに、人生の最後の「導き」として、供養のかたちも新たに。
昔から行われてきた関門海峡での海洋散骨供養を「海葬」として改めました。
そして1月は、1800年以上続く神事が見られる、貴重な機会も。
1月24日(金)23時からは、湯立神楽(ゆだてかぐら)が、
1月25日(土)2時30分からは、〈和布刈神事(めかりしんじ)〉が執り行われます。
気になった方は、この機会に出かけてみては?
さらに境内には、森谷和輝さん、中嶋寿子さんをはじめとする作家の器や
古道具を販売する「母屋」もあります。
今後は「茶房」など、古来の日本人の在り方を伝える場の展開も予定しているそうです。
information
和布刈神社
住所:福岡県北九州市門司区門司3492
電話:093-321-0749
授与所営業時間:9:30〜17:00
コンサルティング:島田智子(中川政七商店)
グラフィックデザイン:岡本 健・山中 港(岡本健デザイン事務所)
授与所デザイン:佛願 忠洋(ABOUT)
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