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posted:2019.11.18 from:石川県金沢市 genre:買い物・お取り寄せ
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writer profile
Kanae Yamada
山田佳苗
やまだ・かなえ●島根県松江市出身。青山ブックセンターやギャラリースペース、ファッション・カルチャー系媒体などを経て、現在フリーのライター、編集者として活動中。まだまだ育ち盛り、伸び盛り。ファッションと写真とごはんが大好きです。
祝儀の際に用いられる飾り紐・水引。
「人と人を結びつける」や「末永いお付き合い」などの意味が込められ、
縁起のよい装飾品として、
私たちの生活のさまざまなシーンで用いられているのはみなさんご存知の通り。
しかし、約100年前は今より平面的なものばかりだったとか。
それを立体的でより芸術性の高いものに引き上げたのが、
加賀水引初代である石川県金沢市の津田左右吉(そうきち)。
その新しい発想や品のある佇まいが評価され、当時は皇室献上など数々の栄誉を受けました。
そして、2代目である津田梅の代がこの作風を希少伝統工芸〈加賀水引〉として確立。
現在まで受け継がれています。
そんな〈加賀水引〉がこのたび、
日本経済新聞社が手がけているラグビーイベント〈Connect Rugby to Business〉で、
ラグビーをモチーフにしたスクラム型の水引を発表しました。
これは先日の〈ラグビーワールドカップ2019日本大会〉期間中に開催された、
観戦に訪れた世界各国のビジネスリーダーやVIPを対象とした
ビジネスフォーラムのための記念ギフトとして配られたもの。
デザインは佐藤オオキ氏率いるデザインオフィス〈nendo〉が担当し、
津田水引折型の5代目の津田六佑氏が制作を行ないました。
ラグビーという競技が持つ協調性や自己犠牲精神といった価値観、
それに日本ならではのおもてなしの心をかけ、「スクラムを組んだ水引」をデザイン。
配色はワールドカップ出場国のユニフォームにならっており、
配置は前列から「3-4-1」という3列の陣形で組み合わさっているスクラムと、
同じものにしているのだそうです。
アイデアの昇華のされ方になんともセンスを感じますね。
ブローチは額にでも飾っておいておきたいほど、作品性の高いものとなっています。
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しかも、ブローチだけではありません。
このブローチを入れる容器には、
〈輪島漆器〉の木地職人が手がけたヒノキアスナロ製の弁当箱を採用。
中を開けると〈大洲和紙〉に包まれた水引のブローチがふたつ置かれており、
ひとつは開催国である日本とその次のW杯を開催するフランスがスクラムを組んでいるもの。
もうひとつはフォーラムの4日後に控えた決勝戦、
イングランド対南アフリカの組み合わせとなっています。
そして〈輪島漆器〉の弁当箱を包むのが、京友禅の老舗による風呂敷。
風呂敷と手漉き和紙には共に金彩を使ったオリジナルの柄があしらわれ、
スクラム以外にもモール、ラック、ラインアウトといったラグビーのシーンを表現。
全体的に細やかな所作に惚れぼれしてしまうような逸品となっています。
日本の伝統工芸をとても魅力的にアレンジした好例ではないでしょうか。
このブローチは、ビジネスフォーラムは終わってしまいましたが、
11月中旬より、日本経済新聞社の未来ショッピング公式ストア、
三越伊勢丹のオンラインストアで販売されるそう。
数十年後にプレミアが付きそうなアイテム。
どうぞ、気になる方はお買い逃しなく。
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ugby mizuhiki-brooch
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