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〈mitosaya 大多喜薬草園蒸留所〉
日本初のボタニカル
ブランデーづくり、始まる。
千葉の薬草園を蒸留所に!

コロカルニュース
vol.2128

posted:2017.6.29  from:千葉県大多喜町  genre:食・グルメ / ものづくり

〈 コロカルニュース&この企画は… 〉  全国各地の時事ネタから面白情報まで。
コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。

薬草園の跡地に日本初の「ボタニカル・ブランデー」の蒸留所をつくる
——そんなプロジェクトの資金を募るクラウドファンディングがスタートしました!

ボタニカル・ブランデーとは、ヨーロッパでは「オー・ド・ヴィー」とも呼ばれる、
フルーツやハーブからつくられる蒸留酒。
梨やぶどう、ベリーなどの果物を発酵させ、複数回蒸留することでできます。
ジンやウォッカよりもずっと繊細で、フルーツの芳香が立ち上がるお酒なのだとか。

このプロジェクトでは、多彩なボタニカルと高い蒸留技術を生かし、
さまざまな分野のプロフェッショナルとのコラボレーションによって、
蒸留の可能性を広げていくそう。これは楽しみですね!

プロジェクトの代表は、東京・表参道のブックショップ
〈UTRECHT(ユトレヒト)〉をオープンさせ、
日本を代表するアートブックフェア〈THE TOKYO ART BOOK FAIR〉を
企画・開催してきた江口宏志さん。

〈mitosaya株式会社〉代表 江口宏志さん

さらにプロジェクトには〈WAT〉代表取締役の石渡康嗣さん、
〈コエドブルワリー〉代表の朝霧重治さん、〈GRAND ROYAL green〉代表の井上隆太郎さん、
〈中山英之建築設計事務所〉代表の中山英之さん、〈TAKAIYAMA〉代表の山野英之さん、
アート・ディレクターの谷戸正樹さんら、
各分野のプロフェッショナルがコラボレーターとして関わります。

一体このプロジェクト、どんないきさつで始まったのでしょうか?

江口さんが東京を離れ外国に住み始めたらしい…そんな話を
聞いたのは、いまから2年ほど前のこと。
そのころ江口さんは、南ドイツにあるオー・ド・ヴィの蒸留所
〈スティーレミューレ(Stählemühle)〉社で修行をしていたようです。

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江口さん、驚きの転身をはかります

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江口さんがボタニカル・ブランデーに魅了されるきっかけになったのは、
ドイツの出版社〈Revolver〉の元代表、クリストフ・ケラーさんが手がけたボタニカルジン。
その「Monkey 47」というお酒を口にしたとき、「これまでのジンのイメージを裏切る、
ハーブやスパイスの香り豊かな味わいにすっかりやられてしまった」のだといいます。

元々ケラーさんの本づくりにも魅力を感じていた江口さんは、
ケラーさんが営むスティーレミューレ社で修行をしようと決心。
2015年にUTRECHT、THE TOKYO ART BOOK FAIRを辞してドイツへ渡り、
修行を始めました。なんとも驚かされる転身です。

「そこでは、ドイツの豊かな自然環境の元、
18世紀後半に建てられた農家屋を改装した蒸留所で、
少人数ながら、収穫から加工、醸造、蒸留といった蒸留酒作りの一連の流れを、
とても手をかけたやり方で作っていました。

伝統的にこの場所で穫れる梨やぶどう、りんごなどは自分たちで栽培するだけではく、
提携農場や果樹園で収穫したり、時には山に入って
自然に生えているものを使うこともあります。
できるだけ自然に近いものを使うほうが、より豊かな味わいが
引き出せるというのが彼の考え方だからです」(江口さん)

「また、シチリアのブラッドオレンジやウチワサボテン、ピエモンテのヘーゼルナッツなど、
これまで蒸留酒で使われることのなかった材料を積極的に用いて
蒸留酒づくりを行うのも彼の特徴です。
修行中は、毎日色々なところへ収穫へ行き、その日に獲ったものを
その日のうちに加工するという毎日を過ごしました。

収穫するタイミング、加工の正確さ、そして適切な醸造、そして最後に蒸留。
手はかかりますが、その分隅々まで目の行き届いたものづくりを行っています。

全ては果物や植物の魅力を純度高く、香り豊かに引き出したいという彼の考えの元、
これまでに作られた銘柄は200種類以上。
ボトルやラベルのデザインも自ら手がけ、その高い完成度は
“グラスの中のアート”と評されるほどです」(江口さん)

「2015年には、ドイツ南部エルマウで開かれたG7エルマウ・サミットで、
スティーレミューレ社が作るフルーツブランデーが
各国首脳へのお土産品に選定されました。
こうしてスティーレミューレで修行をする中で、日本の優れた果樹や植物から
蒸留酒を作ってみたいと思うようになりました」(江口さん)

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千葉に30年の時を経た薬草園を発見!

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全国をめぐって辿り着いた、千葉の薬草園跡地

1987年に設立された千葉県立薬草園。設立時には61ヘクタールの森のなかにつくられた16000平方メートルの敷地に約500種類の薬用植物が植えられ、展示室には数百種の生薬標本を展示。薬用植物の教育普及を目的に運営されました。後に千葉県から大多喜町に譲渡された後、2015年に閉園。

スティーレミューレで修行後、「日本のフルーツや植物から蒸留酒をつくりたい」という思いで
帰国した江口さんは、スティーレミューレ製品の輸入・販売を行いながら、
蒸留所をつくる場所を探して全国をまわり、千葉県大多喜町にある薬草園跡地とめぐり会いました。

跡地といっても、広大な敷地には約500種類の薬用植物が植えられ、
30年の時を経て十分に成長していました。
薬草のなかには漢方や生薬の材料になるようなものや、香りや染料になるもの、果実なども。
蒸留酒をつくるには最高の環境だったのだとか。
江口さんは2017年春にこの場所を引き継いで〈mitosaya 大多喜薬草園蒸留所〉と名づけ、
いよいよプロジェクトのメンバーたちと動き始めました。

〈WAT〉代表取締役の石渡康嗣さん。〈Blue Bottle Coffee〉などの日本上陸プロデュースを手がけた方でもあります。本プロジェクトでは事業・運営全般のサポートを担当。

〈コエドブルワリー〉代表の朝霧重治さん。設備協力、技術サポート、原料仕入・製品販売ルートに協力。

千葉県鴨川市で自社農園を営む〈GRAND ROYAL green〉代表の井上隆太郎さん。完全自然農法でハーブ&エディブルフラワーを生産しています。mitosaya 大多喜薬草園蒸留所の植物の植生計画や維持管理、仕入れなどを担当。

〈中山英之建築設計事務所〉代表の中山英之さん。蒸留施設と関連施設の建築設計・監理を行います。

〈TAKAIYAMA inc.〉代表の山野英之さん。mitosayaのロゴやボトル、ラベル等のデザイン、蒸留所内のサイン計画などを担当。

アートディクター/デザイナーの谷戸正樹さん。ウェブサイト、リーフレット等のデザインを担当します。

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多彩なリターンが魅力的!クラウドファンディングでこのプロジェクトを応援しよう

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2018年春、製品リリースを目指して

ボタニカル・ブランデーの一般発売予定は、2018年春頃。
クラウドファンディングで支援した方には、リターン(支援のお礼)として
一般販売より前に購入できる優先購入権や、
記念すべきファーストバッチ(初回蒸留)の購入権などが用意されるそう。

さらに、ノンアルコールのプロダクトを1年間に渡ってお届けする
ボタニカル(ノンアルコール)プロダクト12ヶ月や、
ボタニカル・ブランデー12ヶ月など、少量生産の実験的な商品を購入できるリターンも。

魅力的なのは、蒸留所の完成時にいち早く招待してもらえる蒸留所開きツアー。
建築やデザインに興味がある方を対象とした、
中山英之さん、山野英之さんといく〈建築・デザインコース〉、
食に興味がある方を対象とした、朝霧重治さん、石渡康嗣さんといく〈クラフトな食コース〉、
植物のスケッチや料理に興味がある方を対象とした、
イラストレーターの山本祐布子さんといく〈ドローイング&クッキングコース〉があります。
これは楽しそう!こちらは8,000円の支援のリターンとなっています。
数量限定となっていますので、お早めにチェックを。

クラウドファンディングの締め切りは、2017年9月15日(金)午後11:00まで。
このプロジェクトは10,000,000円以上集まった場合に成立となります。

mitosaya 大多喜薬草園蒸留所では敷地内の植物を生かすだけではなく、
日本各地の生産者との協働や仕入なども積極的に行い、
野生種や市場外の果物も用いて、日本の高品質なボタニカルを
生かしたものづくりを行っていくとのこと。

将来的にはボタニカル・ブランデーの本場であるドイツや、
ヨーロッパ、アジアなど海外への展開も考えています。
日本の植物や蒸留の可能性を広げるプロジェクトになっていきそう!
気になった方は、ぜひクラウドファンディングページをチェックしてみてくださいね。
くわしくはこちらから!

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mitosaya 大多喜薬草園蒸留所

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