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進化し続ける〈みかん鍋〉。
山口のみかん生産量8割をほこる
周防大島にて今年も解禁!

コロカルニュース
vol.1401

posted:2015.11.25  from:山口県周防大島町  genre:食・グルメ

〈 コロカルニュース&この企画は… 〉  全国各地の時事ネタから面白情報まで。
コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。

writer profile

Maruko Kozakai

小堺丸子

こざかい・まるこ●東京都出身。
読みものサイト「デイリーポータルZ」ライター。江戸っ子ぽいとよく言われますが新潟と茨城のハーフです。好きなものは犬と酸っぱいもの全般。それと、地元の人に頼って穴場を聞きながら周る旅が好きで上記サイトでレポートしたりしています。

山口県南東部に位置する周防大島(すおうおおしま)。
山口県でとれるみかんのうち、
なんと8割の生産量を誇ります。

しかし、なかなか“みかんの島”というイメージが定着しませんでした。
そこで考案されたのが、今回ご紹介する〈みかん鍋〉。
現在の形になってから10年がたち、
今やシーズン中に1万食も食べられるという新・郷土料理です。

とてもわかりやすく、みかんが鍋の上に乗っています。衝撃のビジュアル。

みかん鍋ははじめ、“みかんの島”の
目玉料理としてまちの産業祭に出店されました。

当初は、みかんをそのまま乗せる事に対して
料理人のプライドが許さない! と却下されたそうです。
それでも、山口の豊富な海の幸、山の幸がしっかりと盛り込まれた中に、
みかんの皮を練りこんだツミレや、みかん果汁で練った白玉が浮かび、
ピリリと辛い< みかん胡椒>を添えた鍋は、大変好評だったそう。

みかん鍋の定義は、ベースが海鮮鍋であること、焼きみかんを浮かべること、薬味にみかん胡椒がついていること。11月から3月下旬までの限定料理です。

しかし、せっかくのみかん鍋なのに、
主役のみかんが無いのはどうだろう? という意見が上がりさらに試行錯誤。
結果的に、小ぶりのみかんであれば見た目も可愛いらしいし、
みかんの皮を焼くことでえぐみが抜け、
柑橘の良い香りだけが残るということに気づきました。
また、“焼く”というひと手間が入ることで
料理人のプライドは保たれたのでした。

使うみかんは低農薬。JA山口大島の選定基準や、広島環境保健協会の検査をクリアしたものを使用。安全・安心の印〈鍋奉行御用達〉の文字が刻印されています。

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雑炊もみかん?!

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このときは、みかんを乗せたのはインパクトと香りづけのためでした。
しかし薄い皮でキンカンのように食べやすい小玉のみかんは、
途中で軽くつぶして味の変化を楽しんでみたり、
雑炊を食べる前のお口直しとしていただく人が多くなったそうです。

私もいただく前は、果たして美味しいのか不安でしたが、
鍋にゆずポン酢が合うように、柑橘系の風味は鍋ととても相性がよくサッパリ。
酸味で疲れが飛びます。

最後は雑炊にしていただきます。卵黄と卵白を使い、みかんを表現。フワフワしていて美味しい!

さらにさらに、
みかんの果皮に含まれるヘスペリジンという成分は
成人病予防、抗不安作用、抗酸化作用など健康にとてもいいそうで、
学者さんたちがわざわざ調査に来たこともあったのだとか。
考えてみればみかんを皮ごと食べる機会は
マーマレード以外ほかに無いんですよね。

豪華な一人前鍋や、お取り寄せもしています。

最初は思い切ったビジュアルに、地元の反対意見もあったみかん鍋。
ところがどっこい、蓋をあけてみたら健康にもよくて、思わず笑顔になってしまう、
まさしく家族皆で楽しめる鍋に変化したんですね。

今ではホテルや旅館など13店舗のお店で提供されたり、
みかん胡椒の商品化、
みかん鍋を男女で囲んで新しい出会いを生み出す< 鍋コン>など
色んな形をとりながら定着していっています。

今回みかん鍋を紹介してくれた方も
「満足するとマンネリになるので、
これからもみかん鍋は進化していきます。」となんだか楽しげ。

まだまだ進化し続ける、ある意味ずっと“未完成”なみかん鍋。
周防大島に行ったらぜひいただいてみてください!

スオウオオシマ ドットコム

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