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そんなこんなの諸々の状況から、企業が撤退した後、
空き物件になってしまったこの建物を
あらたな『交流拠点』として再生させることを決意しました。
決意した、といっても
もともとは地方創生に取り組む東京の上場企業が運営していた、
4階建てで部屋数が30以上もある、
資本力のある企業が
ここで事業をつづけても利益が出ないと撤退を決めた物件です。
地方のイチ個人(法人を立ち上げましたが、
ひとり会社……個人みたいなものです)が、
運営に挑むのですから生半可な気持ちではできません。
ここを運営するには、
これまでの「暮らし中心」のライフスタイルから、
「仕事中心」のライフスタイルに
変わっていくことが想像されました。
とても悩ましかったのですが、実はちょうど娘が中学生になる、
これまでとは家族の時間の過ごし方が
かなり変わってくるタイミングだったこともあって
決断したともいえます。
(中学生になると学校から帰宅する時間が
18時とかになるのですよね。小学校とは随分違います)
家族の時間がより必要な娘の幼少期にこの話があがったら、
この決断をしなかったかもしれません。
そんなこんなの状況から、「何かをつかむ時期が来た」のだ!
と感じて挑戦を決意したのです。
さて、そうした決意を持ってはじめた複合施設〈風まち下田〉。
7月に開業してあっという間に半年が経ちました。
昨年の4月に法人を立ち上げて、5月に物件を借りはじめたので、
もうすぐで法人立ち上げからは1年が経つことになります。
想定通り……いや、想定以上に
『仕事中心』のライフスタイルになってしまい、
これまで家事、子育てを折半していた妻には随分と
負担、迷惑をかけました。
また、一昨年までは米づくりにも
かなり時間を割いていたのですが、
昨年に関してははじめたばかりの施設の運営に
時間を費やさざるをえなかったので、
どうにも手をかけることができず。
友人知人に例年以上に手伝ってもらって、
なんとか収穫にありつけた状況です。
昨年の田植えの様子。先に紹介した初年度の田植えと比べると参加している子どもたちの身長が違いすぎてびっくりします。
あらためて事業を説明すると、
コリビング(共用リビング、
ワークスペースやキッチンのあるゲストハウス・シェアハウス)、
コワーキングスペース、
カフェ(希望者に貸すこともできるシェアカフェとしても運営)、
イベントスペースといった用途をもつ複合施設です。
地域内外の下田に関わる人が集う、
「交流」「挑戦」「共創」の場をモットーに、
さまざまな用途があることでさまざまな人がこの場を使う。
そして、さまざまな人が集っていることが
『場の魅力』になったら、
そんな場があることがこの地域の魅力になったら。
そのような思いを持って運営しています。
今年のはじめに餅つきイベントをしたときの様子。
日々、ゲストハウスのチェックインやチェックアウトの
対応をしたり、イベントの企画・運営をしたり、
お客さんにドリンクをつくったり、
ナンヤカンヤとほぼ毎日、忙しくこの場にいます。
ゲストハウスとシェアハウス。何が違うの? とよく聞かれます。部屋や使える設備は同じですが、ゲストハウスは宿泊利用、シェアハウスは利用者と3か月更新の不動産契約を交わしています。