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さて、秋を象徴する代表的な食べ物といえば、さつまいも。
畑でさつまいもを育てている方もこのあたりでは多く、
いろんな方からお裾分けをいただきます。
下田で暮らしてから初めて知ったのですが、
さつま芋は掘ってからしばらく貯蔵して
甘みを引き出す必要があるのだそう。
ということで、いただいてから2週間ほど保管したのち
料理するようにしています。
いろんな方からいただいた、さまざまな種類のさつまいも。本当にありがたい。
娘はとにかくさつまいもが好きで、
味噌汁にしてもお菓子にしても大抵喜んでくれます。
なかでも家族が好きなのが、
ただ揚げて塩をふっただけのさつまいもフライや、
塩麹でただ煮ただけのシンプルなもの。
素材自体がすばらしいので、
手をかけすぎないほうがおいしいのかもしれません。
家族の好物、さつまいもフライ。火をつけない状態の油にさつまいもを投入。その後、じっくり低温で揚げ、ぱらりと塩をひとふり。
夕飯の支度を終えたあと、家族と食卓を囲む前の30分でひとり晩酌をするのが私の息抜きです。そのときに重宝するのが、いただきものの惣菜ストック。この日は知り合いの麹屋さんからいただいたふっくらとした煮大豆。これが最高のおつまみ。
銀杏をたくさんいただいたので、いろんな調理法を試してみました。殻付きのままフライパンで熱する、殻をむいて炒る、紙袋にいれて電子レンジ。結果、私が一番好きなのは、殻を割って茹でるスタンダードな方法。プリプリでふっくらした食感が好みです。
今宵もアジ三昧。いただきもののアジで、アジフライと骨せんべいの夕食。
ある知り合いの海女さんがこんなことを話してくれました。
80代のその海女さんは、生まれてからずっと海に出て漁をしてきて。
さらに、目の前に畑があるからと、
ごく当たり前に野菜を育てている。
そんな彼女が私に「ここはいいところだよ〜。
海もあって山もあって、食うに困らないから」と、
豪快に笑っていました。
海だけでも山だけでもなく、
両方から恩恵を受けることができる下田。
そして、いろんな人と人が自分のところでとれたものを分けて、
交換する暮らし。
本当に豊かだな〜と、この時期になると改めて感じます。
豊かさって、豊かに暮らすって、どういうことだっけと、
もうずいぶんと話し尽くされたことを、
またぼんやりと考えるのです。
最近わが家で盛り上がっている人生ゲーム。夕食のあと、義母と一緒に。