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「親の老い」とどう向き合うか?
「移住」と「親の介護」。
わが家の場合。|Page 2

暮らしを考える旅 わが家の移住について
vol.145

Page 2

移住したら、高齢の親はどうする?

が家が伊豆下田に移住してきたのが2017年4月。
その翌年に東京でひとり暮らしをしていた母を下田に呼び寄せて、
自分たちの家から徒歩3分の小さな家を借りて
暮らし始めました。当時、82歳。
少なからずの持病はありましたが、
まだまだ自分の身の回りことは自分でできる状況でした。
とはいっても、その年齢での移住です。
これまで慣れてきた東京の環境と
大きく変わることに不安はありました。

母は父が亡くなってから東京でひとり暮らしをしていたのですが、
このままひとりで東京で暮らし続けるよりも、
子どもの家族(つまり、わが家)の近くで暮らすほうが
何かといいのでは?

さらには、母が生まれ育ったのは
日本海に面した新潟の小さな漁村で、
漁業が盛んな下田と少なからずは似た雰囲気もあり、
馴染みやすいのではないか?
と、迷ったうえで決断しました。
結果、母の借家の家主さんにとても気にかけていただいたり、
娘(孫)やその友だちも母になついてくれたり。
母も安心して楽しく暮らしていて、
この大きな決断は間違いではなかったと安堵しました。

リビングでテレビを見てくつろぐ津留崎さん一家

娘(孫)とその友だちに挟まれて幸せそうな母。

下田の浜辺を散歩する津留崎さんの母と娘

引っ越してきて間もなく、自宅近くの海で娘(孫)とはしゃぐ。

親子三代での食卓

母の家で、食事をつくってもらうこともよくありました。

移住当初はわが家も賃貸だったのですが、
自分たちらしい家をつくりたい、
この地に根づいて暮らしていきたいという思いから、
空き家となっていた古民家を購入し、
2021年に下田市内での引っ越しをしました。
幸運なことに古民家には離れがあり、
そこも一緒に購入することに。
その離れで母が暮らすことになりました。
「徒歩3分」から、「隣の家」に。

80代半ばをすぎて、
移住当初に比べ足腰の自由がきかなくなっていました。
その状況を考えると、いいタイミングだったように感じます。
引っ越してからは、隣の家になったということで、
これまで以上に一緒に食卓を囲むことも多くなりました。
娘(孫)、そしてもともと母が飼っていた猫と会える時間を
とても楽しそうに過ごしていて、
あらためて下田に移住してもらってよかったと感じました。

夕食中のテーブルに猫のコロンさんがやってきた

すっかり娘の相棒のような存在になっている猫のコロンさんは、母が東京で保護猫を引き受けて飼い始めたのですが、母の下田の貸家がペット禁止だったのでわが家にやって来ました。