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稲刈り前の準備に必要なこととは?
稲架かけや天日干しまで、
手作業が集約したお米づくり|Page 5

暮らしを考える旅 わが家の移住について
vol.134

Page 5

人の助けと自然があってこそ「白米」になる

さあさあ、天日干し開始です!

秋晴れのもと天日干しされている稲

なかなかスカッと晴れてくれなくて乾燥具合に不安は残りましたが、
天気予報とにらめっこしながら、
これ以上やっても仕方がないと、想定通り2週間で脱穀をしました。
脱穀とは、稲にくっついている籾を外す作業のことです。
もちろん、昔はこの作業も手作業で行っていたのですが、
これは毎年、機械に頼っています。
こだわる人はこれも人力でやっています。
自分にはそこまでできない……。

ハーベスタで脱穀中

脱穀をするのはハーベスタという機械です。ちなみに米づくりをナリワイにする農家さんは、稲刈りをするバインダーと脱穀をするハーベスタが一体となった「コンバイン」という大型の機械で一気に脱穀まで終わらせます。

ハーベスタを使うといってもそれなりの作業量があるので、
稲刈りグループのチャットにもし来れたら、と呼びかけたり、
友人を誘ったりして、またもや集まっていただきました。
脱穀作業は例年通り、想定していた2、3時間で完了!

脱穀を終えてみんなで記念撮影

みなさん、ありがとうございます〜! 脱穀をすると大量に藁が出ます。藁は正月飾りに使いたい、畑で使いたいという地域の方や友人にお分けして、来年の稲をしばる分をとっておいて、あとは刻んで田んぼに還しました。刻むことですぐに土になってくれて、そして、土の栄養になります。すばらしき「循環」ですね。

今年の米づくりも、
新たに借りた稲梓の田んぼの周辺の方たちや友人たち、
さらにはLACの滞在者さんたちまでの
多大なる協力なくしてはできませんでした。

特に、今年、新たに借りたというのに
周辺の方たちがここまで良くしてくれたというのは、
この田んぼを紹介してくれた友人が
この地域で培ってきた信頼があってこそと、
すべての作業が終わった今、
この春からの米づくりを振り返って感じています。

脱穀を手伝う千代田屋旅館の井野智充さん

この田んぼを紹介してくれた友人、井野智充さんは、田んぼのすぐ近くで歴史のある温泉宿「千代田屋旅館」を家族で営んでいることもあり、地域の人に顔が広く、とても信頼されています。田植え前の田起こし、代掻きといった作業ではトラクターを出してくれて、稲刈りや脱穀も何かと手伝ってくれて……。わが家の田んぼは井野さんなしでは成り立たちませんでした。

「自分たちの食べる米を自分たちでつくれるようになりたい」

そんな思いから始めた米づくり。
今年あらためて痛感したのは、
「自分たちだけでは米は到底つくれない」ということでした。
これまで書いてきたように
地域の方や友人たちの協力なくしてはできませんでしたし、
さらには田んぼに流れ込む水路は
この地で米づくりを始めた先人たちが築いたわけですし、
水路をきれいに保つのも
地域の方々の協力がなくては成り立ちません。

そもそも、流れ込む山からの栄養たっぷりの水があってこその
田んぼともいえます。
そんなことを痛感した5年目の米づくりでした。

そして天日干しの稲を脱穀して籾となり、
籾を籾摺りして玄米、玄米を精米して、
おなじみの「白米」になります。

精米機で精米されている米

写真は精米の様子です。籾摺り、精米も機械に頼っていますが、これも昔は手作業だったのですね。本当に便利な世の中になりました。

今、地域のみなさまやお手伝いしていただいた方に、
収穫した米をお分けしています。
協力や手間に対しての対価を収穫した米で返す。
いつの時代なのか?
という時代錯誤の返し方ですが、
こんなやり取りがまた、楽しかったりもします。

土鍋で炊いた白米

みなさまのおかげで本当においしくできました! 炊き立てのご飯はそれだけでご馳走ですね。