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移住前から、農業の獣害について見聞きしていたのですが、
移住して知った現状は想像以上でした。
わが家の田んぼも被害にあったこともありました。
とにかくシカ、イノシシが多いのです……。
猟師の減少がその原因のひとつにあると言われています。
このまま増え続けたら、地域の農業は立ち行かなくなってしまうのでは?
自分にできることは何だろうか?
そんな意識を持ち始めた頃、猟師さんと知り合い、
少しだけその活動のお手伝いをすることに。
その方にわなの猟師免許を取ることをすすめられ、
試験を受けたら……合格!
(勉強すればほとんど受かるような試験です)
免許を取ってから忙しくなってしまい、
結局なにもやれていないのですが、落ち着いたら
しっかり活動して農地を守っていきたいです。
わなにかかった美しいシカ。命の重みを感じながら、ありがたくその肉をいただきました。新鮮な自然の肉のおいしさには毎度感動します。
そして、この年、この連載でもしつこいほどに書いた変化がありました。
移住してから暮らしていたのは賃貸物件でしたが、
この年に念願の古民家を取得したのです。
6月から自分たちでリノベーションを始めて、
年末に工事がひと通り終わったので、賃貸物件を引き払い、
引っ越しました。
自分たちで古民家をリノベーションしたのは大変でしたが、
とてもいい経験で、すばらしい家族の思い出です。
……と、移住してからの5年間の歩みを振り返ってみました。
我ながら、本当にさまざまな経験をしたと感じます。
おそらくあのまま東京で暮らしていたら、
こんなに「濃い」年月を過ごすことはなかったのでしょう。
移住の決断はかなり悩みましたが、本当によかったと感じています。
次の5年間が終わるのは、娘が中学を卒業する頃です。
その頃、どんな暮らしになっているのか?
何の仕事をしているか?
地域とはどんな関わりを持っているのか?
まったく想像できません。
まあ、想像できないから楽しいのではないか、と前向きに
「想像できないこれから」を楽しんでいきたいと思います。