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家が変わると、暮らしが変わる。
リノベーションした古民家、
実際に暮らし始めて感じること|Page 3

暮らしを考える旅 わが家の移住について
vol.120

Page 3

キッチンを日当たりのいい場所に

まず、このリノベーションで最も悩んだ「キッチン」についてです。
もともと、この古民家のキッチンは、
昔ながらの家がほとんどそうであるように、
最も奥まった、日当たりが悪い、景色も臨めない場所にありました。

今回のリノベーションでは、この家で最も日当たりも景色もいい、
もともとは広間、和室だった部屋をキッチンにつくりました。

下田の海

キッチンに立つと海が見えます。

キッチンを最も日当たりと景色のいい和室につくる……?
工事としても、床下を通る配管を大規模にやり変えなければならないし、
和室で畳の部屋なので床の仕上げも変えなければなりません。
キッチンを別の場所につくり変えるというのは、
なかなか大変な工事となります。

でも、妻は家で料理をしている時間を
とても大切にしたいと考えているし、僕にとっても
料理をしたりコーヒーを淹れたりする時間はとても大切です
(わが家では朝ごはんは僕が担当し、晩ごはんは妻の担当なのです)。

悩んだ末に、最も日当たり、景色のいい場所にキッチンを配置して、
その周辺にダイニングやリビングをつくる計画としました。
キッチンの形状としては、いわゆるアイランドキッチンに近いもの
(厳密にいうと片側が壁になっているので、
ペニンシュラキッチンといいます)。

新調したキッチン

天板はステンレスで、扉は木でつくったキッチン。

オープンキッチンなので常に片づけないといけないのか……。
その点が少なからず不安でした。
さてはて、その使い心地たるやどうなのか?

キッチンで料理のお手伝いをする娘さん

移住してきたときは4歳だった娘も10歳になりました。最近はよく手伝いをしてくれます。子どもの成長は早い!

暮らし始めての感想はというと、とても良い! です。
もちろん、いろいろ反省点はありますが(想定していたスペースに
冷蔵庫が入らなかったり……)、それを補うほどの良さを感じています。

その証拠といいますか、
「食器洗い」に対しての意識の変化がありました。

料理好きの多くの人がそうかもしれませんが、
僕と妻も、料理をするのは好きなのですが、食器洗いは苦手。
そして、これまでの家のキッチンは
一般的な壁に向かって設置してあるタイプだったので、
食器を洗う際には壁に向き合って洗わなければならなかった。

もともと好きではない食器洗いを壁に向かって作業をするということで、
どうしても避けてしまう……。
で、洗ってない食器がたまりがちでした。
そして、その状態にさらにストレスを感じるという、
まさに負のループ状態。

そんな状況だったので、前の家に暮らし始めて
しばらくしてから卓上式の食洗機を導入。
食器洗いのストレスから解放されて、いくらかホッとしていました.
その経験もあったので、今回も当たり前のように食洗機を導入。
ですが、暮らし始めてみると想定とは違う状態になったのです。

最も景色も日当たりもいい場所にキッチンを設置したからか、
苦痛と感じていた食器洗いが気持ちよくできているのです。
食べたらすぐに洗う、すぐに拭いてしまう。
これまでできなかったその一連の動作が、難なくできているのです。

キッチンから見える海

オープンキッチンなのでそのままにしていると気持ちよく暮らせない、
ということもあるのかもしれません。

そんなこんなで、せっかく導入した食器洗い乾燥機の
出番がないという、なんとももったいないことになってます
(2か月で1度しか動かしていません……)。
暮らす環境で家事に対する向き合い方が
こうも変わるのだと、自分でも驚いてしまいました。

キッチンとリビングスペース