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下田の食で1年を振り返る!
2021年、印象に残ったおいしいもの|Page 6

暮らしを考える旅 わが家の移住について
vol.119

Page 6

10月 同じ釜の飯

稲穂

5月に植えた稲が無事に育ち、
待ちに待った稲刈りの日がやってきました。
たくさんの友人たちが手伝ってくれたおかげで、
作業は午前中でほぼ終了しました。

その後、稲架にかけられた稲を眺めながら
みんなでカレーライスを食べたのですが、これがすばらしかった。
田んぼの作業で困ると
いつも助けてくださるご夫婦がいらっしゃるのですが、
そのご夫婦が羽釜でご飯を炊いてくださり。
さらに、友人が仕込んでくれたカレーをかけてみんなで食べました。

同じ田んぼの中でみんなで汗を流し、
達成感と疲労感を味わいながらみんなで同じ釜の飯を食う。
これって最高の贅沢かもしれない。

カレーライス

2週間ほど天日干しをしたのちに脱穀、籾摺り、精米を経て、
ようやくわが家に迎え入れた新米。
さてそのお味は? とひと口。
甘い、深い、おいしいー!

天日干し風景

土鍋で炊いたご飯

11月 疲れた体に染み入る、刺身盛り

リノベーション中の夫

新居のリノベもいよいよ大詰めに
(古民家を購入してセルフリノベーションしました)。
仕事との両立でもうヘトヘトだよ……ってことで、
夕飯もかなりいい加減に。
おいしいものを食べたいけど、つくる余力がないのです。

そんなとき、友人の漁師さんより「お魚食べます?」との連絡が。
正直、お魚は食べたいけれど自分で捌く気力はない……
というのを察してくれたのか、「刺身にしておきますよ」と。

カンパチと鯵の刺身とたたき

カンパチと鯵のお刺身と、たたき。脂がのっていておいしい~。疲れた体がゆるむ。

また別の日に、夫が知り合いの方からブダイをいただきました。
「……ごめん、私、捌く元気ない……」と夫にパスしたものの、
夫だって疲れ果てている……。

そんなところに、突如現れたのが料理人の友人、
なんというタイミング! ありがたいことに、
わが家の台所でブダイを美しい刺身にしてくれました。

ブダイの刺身

ブダイは身がかたいとのこので、友人が薄くおろしてくれました、美しい~。淡白でしっかりした歯応えのブダイ、ゆずと塩で食べるのも好き。

12月 舟盛りサプライズ

舟盛り

新居の工事を終え、なんとか引っ越しを完了したその夜。
引っ越し作業を手伝ってくれた友人がお祝いにと、
舟盛りを届けてくれました。

実は引っ越し作業がとても大変で、疲労困憊……。
ファーストフードすら買いに行く余力もない……くらいのところに
こんなサプライズ! 思わず涙ぐんでしまったのでした。

下田の海に沈む夕日

あれもこれも紹介したいものがまだまだたくさんある、というほど
下田は本当に豊かな土地です。
そして、こうして見返してみると、
どの料理も単に「どこの店の何というメニュー」というのではなく、
何かしら友人や知人たちが関わっているということに気づいて
驚きました。

誰かがとってきてくれたり育ててくれたり、捌いてくれたり。
誰かの気持ちが込められたものだったり。
東京で暮らしていた頃とはずいぶん暮らしが変わったのだなぁと、
あらためて感じています。

みんなの支えがあってのわが家の暮らし、本当に感謝です。
米づくりにしても普段のわが家の食卓にしても、
やっぱり人とのつながりが楽しい。
そう感じたわが家の食暦でした。