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5月に植えた稲が無事に育ち、
待ちに待った稲刈りの日がやってきました。
たくさんの友人たちが手伝ってくれたおかげで、
作業は午前中でほぼ終了しました。
その後、稲架にかけられた稲を眺めながら
みんなでカレーライスを食べたのですが、これがすばらしかった。
田んぼの作業で困ると
いつも助けてくださるご夫婦がいらっしゃるのですが、
そのご夫婦が羽釜でご飯を炊いてくださり。
さらに、友人が仕込んでくれたカレーをかけてみんなで食べました。
同じ田んぼの中でみんなで汗を流し、
達成感と疲労感を味わいながらみんなで同じ釜の飯を食う。
これって最高の贅沢かもしれない。
2週間ほど天日干しをしたのちに脱穀、籾摺り、精米を経て、
ようやくわが家に迎え入れた新米。
さてそのお味は? とひと口。
甘い、深い、おいしいー!
新居のリノベもいよいよ大詰めに
(古民家を購入してセルフリノベーションしました)。
仕事との両立でもうヘトヘトだよ……ってことで、
夕飯もかなりいい加減に。
おいしいものを食べたいけど、つくる余力がないのです。
そんなとき、友人の漁師さんより「お魚食べます?」との連絡が。
正直、お魚は食べたいけれど自分で捌く気力はない……
というのを察してくれたのか、「刺身にしておきますよ」と。
カンパチと鯵のお刺身と、たたき。脂がのっていておいしい~。疲れた体がゆるむ。
また別の日に、夫が知り合いの方からブダイをいただきました。
「……ごめん、私、捌く元気ない……」と夫にパスしたものの、
夫だって疲れ果てている……。
そんなところに、突如現れたのが料理人の友人、
なんというタイミング! ありがたいことに、
わが家の台所でブダイを美しい刺身にしてくれました。
ブダイは身がかたいとのこので、友人が薄くおろしてくれました、美しい~。淡白でしっかりした歯応えのブダイ、ゆずと塩で食べるのも好き。
新居の工事を終え、なんとか引っ越しを完了したその夜。
引っ越し作業を手伝ってくれた友人がお祝いにと、
舟盛りを届けてくれました。
実は引っ越し作業がとても大変で、疲労困憊……。
ファーストフードすら買いに行く余力もない……くらいのところに
こんなサプライズ! 思わず涙ぐんでしまったのでした。
あれもこれも紹介したいものがまだまだたくさんある、というほど
下田は本当に豊かな土地です。
そして、こうして見返してみると、
どの料理も単に「どこの店の何というメニュー」というのではなく、
何かしら友人や知人たちが関わっているということに気づいて
驚きました。
誰かがとってきてくれたり育ててくれたり、捌いてくれたり。
誰かの気持ちが込められたものだったり。
東京で暮らしていた頃とはずいぶん暮らしが変わったのだなぁと、
あらためて感じています。
みんなの支えがあってのわが家の暮らし、本当に感謝です。
米づくりにしても普段のわが家の食卓にしても、
やっぱり人とのつながりが楽しい。
そう感じたわが家の食暦でした。