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下田の食で1年を振り返る!
2021年、印象に残ったおいしいもの|Page 4

暮らしを考える旅 わが家の移住について
vol.119

Page 4

4月 夫が解体したシカ肉

捌いた鹿肉

下田は海だけではなく、深い山にも囲まれた土地。
山にはイノシシやシカなども生息していて、
全国的に問題となっている獣害も年々深刻化しています。

知人も田畑の被害を防ぐために罠を仕掛けているのですが、
そこにイノシシやシカがかかると夫も解体を手伝い、
その肉を持って帰ってきてくれます。

この日はシカのお肉をありがたくいただきました。
罠にかかるまで野山で自然に育つ植物を食べて生きていたシカのお肉は、
まったく臭みがなく、上質な肉の味わいだけが感じられます。

特に背ロースという部位は驚くほど柔らかく溶けるようで、
透明感のなかに甘みが感じられる。
感動的な味わいでした。

フライパンで鹿肉を焼く

塩で調味して焼くだけ。それぞれの部位の違った味わいや、旨みをダイレクトに感じられるシンプルな食べ方。

鹿肉のミートソース

かたくて食べにくい部位はミンチにしてミートソースに。すっきりっとしたなかに旨みだけがギュッと凝縮された味わいです。

猪肉の餃子

こちらはイノシシをミンチにしてつくった餃子。羊肉の焼き小籠包のような味わい、うんまい。

5月 畑でとれたばかりの野菜

掘りたてのじゃがいも

地元の漁師さんや海女さんのなかには、
野菜も自身の畑でつくっている方が多くいらっしゃいます。
お世話になっている漁師さんや海女さんに
とれたての野菜をいただくことも。

「なんでこんなにおいしいんだろう……」と
繰り返しつぶやいてしまうほど、なんだかおいしい。
とれたてということもあるでしょうし、
同じ野菜にしても生命力の強さが感じられ、
畑でそのままバリバリ食べてしまうことも。

しかしながら、私たちよりずっと年上の方々なのに
私よりはるかにタフ。
海のものも山のものも自給自足している知恵と体力、
見習いたいものです(すでに体力に自信ないのですが)。

畑で水菜を収穫中

この水菜もすごくおいしくて、ウサギのごとく畑でそのままバクバクいただいてしまいました。

吊るされた玉ねぎ

6月 青梅の蜂蜜づけ

ざるカゴにのったたくさんの梅干し

ある日、バイクで田んぼに向かっていたら急にエンストしてしまい、
何度試してもエンジンがかからない。
困り果てていたところ、ちょうど目の前の八百屋のご主人が
バイクで帰ってきたので相談してみると、さすがバイク歴が長い! 
あれこれ試してエンジンをかけてくれました。

助けていただいたお礼に何か購入させてもらおうと店先をのぞくと、
青梅がたくさん。
ちょうど梅干し用の梅を買いたかったので、
バイクに乗せられるだけいっぱいいただいていくことに。

「追熟(青い梅を黄色く熟すまで保管すること)が
なかなかうまくいかないんです」と話すと、
青梅でもおいしくできるよとご主人。
梅干しのつくり方としては完熟梅が王道ではあるのですが、
ご主人がそう言うならと、青梅で仕込んでみました。

仕上がった青梅の梅干しはというと、
フレッシュ感というのか、かなり酸っぱい! 
これはこれで好きな方もいると思うのですが、
完熟梅に慣れていると少々食べづらい。

ならばと試しにと蜂蜜につけて数日放置していると、
梅から水分が出ていい感じに蜂蜜と混ざり合ってきた。
ひと口食べてみると、酸味と蜂蜜の甘みがベストマッチ!
滲み出た汁ソーダで割ったら、これまた最高。
バイクを故障したことで初めて知った、青梅と蜂蜜のマッチングでした。

蜂蜜につけた梅干し