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井戸水と太陽熱温水器を
暮らしに取り入れるには?
リノベーションで実現したシステム|Page 4

暮らしを考える旅 わが家の移住について
vol.118

Page 4

太陽熱温水器でお風呂を沸かしたい!

庭に設置したソーラーパネル

そして、こちらがそんな井戸水を太陽の熱で温める太陽熱温水器です。
太陽光を使ったエネルギーというと発電を思い浮かべますが、
エネルギー効率としては給湯にするほうがいいそうで、
しかも、太陽熱温水器は発電のパネルと比べて劣化が少なく、
つくりがシンプルなので壊れにくいというメリットもあります。

具体的には、発電はよくて2割、
温水器ならば4割~6割のエネルギーを取り出すことができるそうです。
さらには、家庭のエネルギーの3割近くが
給湯に使われているというデータもあります。
それを環境負荷の少ない太陽熱でまかなえれば、
環境にもおサイフにもやさしいではないか! そう考えたのです。

とはいっても、導入コストもかなりかかります。
とても悩みましたが、後々払うはずのガス代を先に払うと考え、
導入を決めました(実際にガス代を取り戻すには、
状況にもよりますが10年程度はかかるそうです)。

ただ、これも井戸水と同じですが、
自分の想いだけで家族に迷惑をかけたくありません。
どのような仕組みで太陽熱温水器を設置するか? 
慎重に考えました。

ひと昔前、よく使われた太陽熱温水器というと
屋根の上に設置してあって、そこで温めたお湯を
お風呂にそのまま使うというタイプでした。
そういった太陽熱温水器でつくるお湯は、
夏は熱すぎるし、冬や雨の日は温度が足りません
(晴れた夏には70度を超えることもあるそうです)。

こうした不便なものでなく、いままで使っている給湯器と
同じような感覚で普通に使えるようにしたかったのです。

結果、取り入れたのは、太陽熱温水器で
沸かし足りなかった場合は給湯器で加温したり、
また、太陽熱温水器で沸かしすぎた場合には
加水して適温に戻すことができるというもの。

また、その仕組みから、従来のタイプのものより
衛生的なお湯がつくれるということで、キッチンにも利用できます
(昔のタイプは風呂のみの利用が推奨されています。
詳しくはメーカーに確認してみてください)。

架台を家族3人で設置・固定

パネル・タンクを設置する架台も自分たちで設置。娘、初めて触るモルタルを楽しそうにコネコネしてました。

で、導入してどうだったのか? といいますと……。
太陽熱のエネルギーだけで沸かしたお湯が、
この季節でも晴れた日は40度以上になります。
湯はりに使うと少しぬるく給湯器で加温していますが、
シャワーとして使うには充分です。

また、わが家の場合は、この太陽熱温水器にも井戸水を入れているので、
太陽熱でつくったお湯も塩素臭もなく、
心なしか肌触りがいい気もします(太陽熱温水器に井戸水を使用すると
メーカー保証対象外となることがありますので、ご注意ください)。

気温が上がる春からは給湯器の補助なしでお風呂に入れそうです。
井戸水を太陽のエネルギーのみで温めたお風呂に入れるのが、
いまから楽しみです。

ソーラーパネルの下のタンク

パネルの下にタンクがあって、パネルの中で温められた不凍液がタンクの中に溜まった水を温める仕組みです。タンクの容量は200リットル。わが家の小さめの風呂なら余るほどです。

今回のリノベーションで最も悩んだ部分でもある、
井戸水と太陽熱温水器について紹介しました。
数か月たってから、実際に水道代やガス代がどこまで下がったのか? 
といったデータ的なことも紹介していきたいと思います。

ウイスキーのお湯割り

太陽熱温水器で温めた井戸水を薪ストーブの上でさらに沸かして沸騰させて、ウイスキーのお湯割りに。おいしくて温まります。

下田の海と太陽

ここで暮らし始めて太陽のエネルギーのすごさをあらためて感じています。このエネルギーを有効に使わないのはもったいないですね。