menu
記事のカテゴリー

井戸水と太陽熱温水器を
暮らしに取り入れるには?
リノベーションで実現したシステム|Page 3

暮らしを考える旅 わが家の移住について
vol.118

Page 3

実際に井戸水を使うにはどうすればいい?

少し振り返ります。
まず、リノベーションに取りかかる前に
水道設備業者さんに井戸の状態を見てもらいました。
しばらく使っていなかったのに、
しっかり水量もあるし水質も悪くない、とのこと。

以前から、移住したら井戸水で暮らしたいと考えていて、
連載当初から移住先での暮らしのイメージにも掲げていたほどです。
これは念願の井戸水暮らしができるかも? 
とワクワクしたことを覚えています。

そもそもなぜ、井戸水暮らしをしたいと考えていたか? 
「万が一の災害時などの水道管トラブルにも強い」
「水道料金がかからない」
「塩素臭のしないおいしい水」
というメリットがありますが、単純に
「地下にきれいな水が流れているなら、それを使いたい」
そんな想いからでもありました。

ただ、井戸水利用にはデメリットもあります。
枯れることもありますし、水質に難がある場合もあるといいます。
実際、水質検査では「そのままでの飲用には適さない」との結果でした。

ちなみに水質検査は、ネットで申し込みできる機関を利用しました。
送られてきた容器に自分で水を入れて送り返すというやり方で、
少々手間はかかりますがリーズナブルです。

このような検査を定期的にする必要がありますし、
また、ポンプなどが壊れる場合もあります。

そんなデメリットもありますが、やはり
「地下にきれいな水が流れているなら、それを使いたい」
という想いが勝り、井戸水を家全体の水道設備に使おうと計画しました。
ただ自分のそんな想いだけで家族に迷惑をかけたくはありません。
安全性や機能で不便がないように慎重に計画を進めました。

庭に埋め込み中の配管

井戸から宅内へと新たに配管を。

まず、井戸水を水道として宅内で使うには
ポンプで汲み上げて配管につなぐ必要があります。
わが家の井戸の場合、地面から5メートルほど下が水位で、
井戸の底が15メートルという状況。
井戸の深さと汲み上げる水量からポンプを選定します。

果たして、うまく汲み上げてくれるのか? 
それなりに値段がはるポンプなどを購入しているので、
うまくいかなかったら悲しすぎる……。
水を出すまで不安で仕方ありませんでした。

設置した井戸ポンプ

新しく設置した井戸ポンプ。災害に強い井戸、とはいってもポンプを動かすのは電気。なので、停電時には汲み上げることができなくなります。いずれは、このポンプを太陽光パネルとバッテリーで動かす仕組みを導入したいと考えています。

結果、ちゃんと水が出ました! 
そして、例えば3か所で同時使用しても、
水の勢いが多少減るものの、問題ないレベルです。
いまのところ、じゃんじゃん使っても枯れることもなく使えています。

新しく設置したキッチンのシンク

検査の結果を受けてキッチンには井戸水と水道水の両方を引いています。直接、水を飲むときは水道水を飲むようにしているのですが、飲み比べると水道水の塩素臭さが際立ちます。使用を始めると水質が改善されることもあるそうです。また検査をしてみようと思っています。

井戸水で淹れたコーヒー

沸騰させれば飲用にも差し支えないとのことで、コーヒーなどは井戸水で淹れています。キッチンから井戸水が出るようになってからは、手伝いに来てくれた人に「井戸水コーヒー」を出すのが恒例となっています。