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ここで、話を薪ストーブ検討段階まで戻します。
薪ストーブ本体はかなり種類があり、金額的にもピンからキリまで、
ホームセンターで売られている1万円しないモノから
輸入品の100万円以上までと幅があります。
当初、種類がありすぎて違いがよくわからず、
金額、デザインや暖房能力の数値で選べばよいのか?
と思っていました。
でも導入にあたり調べていくと、薪ストーブによって
「耐久性」「使用できる薪の種類」「燃焼の方法」に
大きな違いがあることがわかってきたのです。
まず「耐久性」について。ホームセンターで売られている
1万円しないような薄い鉄板製の薪ストーブは、
使い方にもよりますが、2、3年で穴が開くのはあたり前、
使い方によってはそこまでもたないこともあるとわかってきました。
初めてだし、かなり予算がないので、それでもいいのか?
とも思ったのですが、壊れて設置し直すのも手間です。
国産メーカーだと5万円くらいからは
少ししっかりとした鋳物製や厚みのある鋼板製が
ラインナップされています。
「安物買いの銭失い」にならないためには
それくらいの予算のイメージは
持っておいたほうがよさそうです。
そして、「使用できる薪の種類」について。
先ほど書いた通り、建築の仕事で出る廃材や
端材も燃料として使いたいと考えていました。
建築の仕事で使う木材は、ほとんどがスギやマツなどの「針葉樹」です。
今回のリノベーションでも一部分の壁や床を解体した「針葉樹」の廃材が多く出ました。捨てれば費用がかかりますが、薪ストーブの燃料にすればエネルギーとなる。
一般的に薪ストーブ用とされる薪は、
ブナやクヌギ、ナラ、サクラなどの「広葉樹」。
針葉樹は、油分が多く含まれていて燃焼温度が高くなることから、
薪ストーブで多用することはよくない、と聞いたことがありました。
でも、針葉樹の廃材を使えれば、
薪の調達にかかる手間は随分と違いそうです。
しかも、生木から薪にするためにしっかり乾燥させるには、
薪割りしてから2年ほど置くのが理想ともいう。
対して廃材はしっかり乾燥しています。
針葉樹、本当に燃やせないのか? 調べてみました。
比較的よく見る「鋳物」の薪ストーブは温度の変化に弱く、
燃焼温度が高くなる針葉樹は燃やさないほうがいい。
対して、針葉樹を燃やすのに比較的適しているのは、
温度変化に強い「鋼板」でつくられた薪ストーブ。
ちなみに鋳物の薪ストーブも、焚きつけの際には
燃えやすい針葉樹を使います。でも、あくまで焚きつけ用。
針葉樹ばかりを燃やしていると温度が上がりすぎてしまい、
炉が割れることもあるそうなのです。
ということで、針葉樹も燃やしたいということから
鋼板の薪ストーブを検討することに。
デザインの点からも、曲線を多用する鋳物の薪ストーブと比較して
直線的な鋼板製は自分の好みにも合致していました。
次は、「燃焼方法」の違いについて。
燃焼方法の違い、というのは「2次燃焼」するかしないか?
ということが大きな違いだそうです。
2次燃焼? という方のためにざっくり説明します。
ただ薪を燃やすだけ(1次燃焼)だと、
その煙にはススが多く含まれている。
煙をさらに燃やすことで煙がきれいになって排出されるそうなのです。
ざっくりすぎて「???」が消えないかもしれませんが、
とにかく、薪ストーブの構造によって
2次燃焼が行われるかどうかが変わるとのこと。
1次燃焼の薪ストーブだと煙にススが多く含まれるため、
煙突にススがたまりやすいそうで、
そうなると煙突のメンテナンスが大変で、
怠れば最悪、火災のリスクもある。
また、2次燃焼の方が2度燃やすということもあり、熱効率が高く、
薪の消費を抑えることができるという特徴もあるようです。
これだけ書くと、もちろん2次燃焼がいいよね……となりますが、
しっかり上昇気流が起きるように煙突を組まなければ
そのメリットを生かせないともありました。
そして、構造が複雑になる分、お値段がお高い……
という側面があります。