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「一時期は同窓会にも顔を出せなかったんですよ、引け目を感じて……」
と言うイッテツくん、これまでいろんな道をたどってきたそうです。
名古屋の大学を卒業したのち、
中学校で特別支援学級の美術講師として勤務。
やりがいは感じたものの、
自分にとってはかなり荷が重いと感じたのだそう。
悩んだ末、1年後に退職、その後ピースボートに乗船したり
デンマークに留学したりと、1年間世界中を旅して回りました。
25歳で帰国してからは
東京のWebマーケティング会社に就職するのですが、
想像していた仕事の内容とのズレに悩み、半年で退職。
大学の同級生たちが社会人として順調に歩むなか、
自分はこんなにも苦戦している……。
その時期はかなり自信を喪失していたそうで、
それこそ同窓会に足を踏み入れられなかったそうです。
そうした状況のなかで何かヒントをつかみたいと、
〈シブヤ大学〉などのコミュニティに参加するようになります。
その影響を受け、東京の出版社に再就職して編集者として働き始めます。
ところが、その3年後にまたまた会社を辞職。
知人から「3か月間、ピースボートで仕事をしながら
地球を1周しないか」という声がかかり、
このまま出版社で働き続けるのとどっちがワクワクするのだろうか、と
自問自答した結果、選んだのがピースボートでした。
ここからようやく南伊豆につながっていくのですが、
ピースボートの任期を終え帰国したイッテツくんを待ち構えていたのが、
地方創生事業に関わっている知人からの
「伊豆で仕事をしないか?」という誘いでした。
その知人とはシブヤ大学に参加したときに知り合った間柄で、
具体的には、地域おこし協力隊として
南伊豆で活動するというものでした。
当時、地域おこし協力隊に対してかなり疑心暗鬼だったイッテツくん。
さらに、都市部から地方に移ることに
“都落ち”的な感覚を持っていたので、前向きではなかったそうです。
その気持ちが変化したのはまさに、「誰と何をするか」を優先したから。
その知人と一緒に南伊豆に関わる、
それを考えたときにワクワクしたのだそうです。
「場所というのは、優先順位としては低いんですよね。
僕の場合は“誰と”ってことが重要なんです」
このあたりの詳しい経緯は
こちらの漫画で見ていただけたらと思うのですが、
実はイッテツくん、マンガ家としても活動しているという多才ぶり。
イッテツくんの描いた漫画『ローカル×ローカル』が、
第2回 幻冬舎×テレビ東京×noteコミックエッセイ大賞、
cakes賞を受賞し、今月から『cakes』で連載が始まったのです。
考えさせられるところもあり、正直すごくおもしろいです。ぜひ。