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イッテツくんが協力隊に着任してまず立ち上げたのは、
『南伊豆新聞』というローカルメディア。
「その人の人生を追体験できる記事を心がけている」という言葉どおり、
まちに住んでいる魅力的な人物に焦点を当て掘り下げて紹介しています。
イッテツくんの話のなかで印象的だったのが、
「地域を活性化させるという言葉をよく耳にするんですけど、
地域って誰のこと? 誰のため? って疑問に思うんですよね。
目に見えない戦いなのか」と。
「南伊豆に〇〇さんっていうすてきな人がいるんです!
と語ることはできるけれど、
南伊豆のために! という語り方は僕にはできません。
地域という大きい主語ではなく、もっと小さい主語で
自分の住んでいるまちの魅力を発信したいと思っています」
宿の名前のローカル×ローカルにも、そうした意味がこめられています。
ローカルという言葉には地方とか地域という意味もありますが、
局所とかポイントという意味も持ち合わせています。
イッテツくんがイメージするところのローカルは、
地域でもあるけれど、究極突き詰めていくと、個人というポイント。
その個人と個人のかけあわせで
気持ちのいいコミュニケーションが生まれたら、
都市も地方も関係なく混ざり合うことができると考えているのです。
『南伊豆新聞』を立ち上げたあと新たに始めたのが、
「南伊豆くらし図鑑」という体験プログラムです。
それもやはり個人と個人のかけあわせなのですが、
例えば伊勢海老漁師さんや米農家さんなど、
地元の方の日常に1対1でお邪魔させていただくというもの。
「まずは自分が人と人とをつなげるハブになって、そのうちに
僕を介さずに直接つながっていってくれたらと思っています」
実際にくらし図鑑を体験した都市部の方が、
その後、地元の方と直接連絡を取り合っている姿も見られるそうです。