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私たちが購入した家は、売主さんのお母様が住んでいた物件です。
お母様はもう亡くなっているのですが、
家具やうつわなどの生活用品がまだ残っている状態でした。
当初は売主さんのほうで片づけてくださる予定でしたが、
家の掃除や不用品の処分は私たちが引き受けるので、
その分少し値段を安くしていただけないかと提案しました。
ありがたいことに売主さんが快諾してくださったので、
リノベーションの前に使えそうなものは残し、
あとは廃棄するという作業をしています。
わが家が購入した家は築80年以上と古く、
売主さんにとってとても思い出深い家です。
ご自身が生まれ育った家なので取り壊すのは寂しいので、
できれば大切に使ってくれる方にお譲りしたい、
そうおっしゃっていました。
そして、自分が子どもの頃に妹さんとよく裏山に登って遊んだことや、
屋根の上に登ったりしたことなども話してくださいました。
そうした思い出話をうかがっていたこともあり、荷物を整理しながら、
どんなご家族がどんな暮らしをしていたのだろうか、と想像しています。
箪笥の引き出しを開けると鶴が描かれたかわいい菓子箱がしまってあり、
中には県外の住所が書かれた店のカードが入っていて。
その土地を旅行したときにお土産に買ったお菓子なのかな?
と勝手に想像してみたり、
時折「みてみて、これかわいいね~」と娘に見せたり。
そんなふうに部屋の片づけをしていると、
まるで宝箱を開けているようでとても楽しく感じられます。