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そうして無事に終えた稲刈り。
その後、刈り取った稲は竹で組んだ稲架に掛け、
およそ2週間ほど天日干しにします。
すべての作業を終え、稲がずらりと並んだ景色は
本当に美しくすばらしいものです。
今年は完全天日干しできるのか~という喜びが湧き上がります。
昨年は台風被害を避けたために、
この稲架掛けの景色すら見れなかったのです。
あぁ干しあがるのが楽しみだ、と思っているところへまた不測の事態が。
田んぼの様子を見に行った夫から連絡が。
「猪に食われてる、明日にでも脱穀しないとまずい」
わが家の田んぼは電柵が張られているため、
いままで猪の被害はありませんでした。
今年は下田のほかの地域でも猪が多数出没していて、
明らかに昨年よりも被害が拡大しています。
電柵を突破するほど食糧に困り始めているのか、
いろんな方法を学んで賢くなってしまったのかわかりませんが、
電柵を突破して稲を食べた形跡がまざまざと……。
夫いわく、すぐに田んぼにある稲架から下ろさないと
全部食べ尽くされかねないというのです。
天日干しを初めてからまだ7日目、完全に乾いていないため、
あとは機械乾燥にかけるしかない。
今年こそは太陽をいっぱい浴びさせたかったけど、
食べ尽くされたらそれこそ元も子もない。
ので、翌日稲架から下ろして脱穀してしまおうということに
(その日の夜、夫は田んぼで車中泊をして見回り。
車の気配を感じたからか、その晩は猪は出没しませんでした)。
脱穀をするには機械が必要になります。
この作業ばかりは手作業では無理なのです。
米づくりをサポートしてくれている
〈南伊豆米店〉の中村大軌さんに連絡したところ、
別の田んぼで機械を使うので翌日は出すことができないそう。
この時期は毎日どこかの田んぼの脱穀作業をしているため、
急に予定を組むことが難しいのです。
どうしよう……思い当たるのは隣の田んぼの方しかいないけれど、
機械を借りるということが失礼に当たるのではないか……。
しかしながら頼れる人はその方しかいない、
ということでダメもとで連絡してみる。すると、
「明日ちょうど脱穀するからその後、機械を使っていいよ」と。
奇跡! ありがたい~。