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田んぼコミュニケーションは楽しい!
3年目の米づくり、
不測の事態から生まれた新たな関係|Page 5

暮らしを考える旅 わが家の移住について
vol.094

Page 5

田んぼでまた新しいつながりが

そうして脱穀の日。
お隣さんから急遽お借りしたハーベスタという機械を使って
自分たちで脱穀をします。

お隣さんが夫に使い方をレクチャーしてくれました。
私にはまったく使い方のわからない代物ですが、
夫は養蜂の山仕事で重機になれている。
「はい、はい、わかりました」ですぐに始動。
やるじゃないか夫! というのはさておき、
この日も友人が手伝いにきてくれたおかげでてきぱきと。

さらに子どもたちも一生懸命お手伝いをしてくれました。
自分たちも力になりたいと無心に働く子どもたち、
その姿になんだかとても感動してしまいました。

無心に働く子どもたち

稲を運ぶ子ども

稲を運ぶ子ども

娘も手伝います

手伝いにきてくれたお隣さん

最後、お隣さんも手伝いにきてくれました。

車につまれた脱穀した稲

15時くらいから始め、終わったのは夕方の17時。
あたりが薄暗くなり、ふと見上げると三日月が~。
あぁ、今年の米づくりがすべて終わった……という恍惚感に包まれる。
帰宅後、夫とビールで乾杯。
「あぁ、格別においしいねぇ」

下田の夜空

翌朝は田んぼの片づけへと出かけました。
脱穀したあとの藁を束ねて、
自宅に持ち帰って保管する作業が残っているのです。

藁は畑や果樹園をやっている方にとってとても重宝するのだそうで、
友人たちにもお裾分けします。
冬の寒さをしのぐために作物の回りを覆ったり、
そのまま土にかえって肥料にもなる。

わが家は納豆をつくるのに使ったり、
正月飾りをつくるのに使うため保管しています
(といいながら、昨年は余裕がなくてできなかった……)。

藁苞(わらづと)納豆

一昨年ためしにやってみた藁苞(わらづと)納豆。食べ慣れている市販の納豆よりも発酵の香りが強く粒がかたいという記憶が。昨年はつくれなかったので、今年は必ずや。

ちょうど、お隣さんとその弟さんが
藁が足りないから欲しいとのことでお裾分け。
ついでに藁を束ねる紐のつくり方や、
崩れにくい縛り方なども教えていただきました。
さらわが家の分まで手際よく縛ってくれるなど、
とても助かってしまった。

稲をおすそ分け

弟さんに
「正月飾りは自分でつくれるの?」と聞かれ、
まだ不慣れでうまくできませんと答えると
「年末に教えてあげるよ」と。

こんな風に、田んぼでつながった人と
田んぼで作業しながらまたつながっていく。
これって本当にうれしくて楽しいな~と、
とても気持ちのよい朝となりました。

自家用車に藁を詰め込む

わが家は軽トラを所有していないので、普段使用している自家用車に藁を詰め込んで運搬。

脱穀した翌日、お隣さんにお礼を伝えると、
「機械なんてどこの田んぼで使ったって一緒だから。
自分ができるうちは手伝ってあげたいから」と。

今年もまた予想していなかった展開となった米づくり。
農業を営んでいる方々の苦労は計り知れないな~と頭が下がります。
私にとっては、不測の事態によって新たな関係が築けたうれしさもあり、
そういうことも含めて米づくりっていいもんだな~と
感じました(甘えてばかりではいけませんが!)。

来年はどんな米づくりになるのか、とても楽しみです。

土鍋で炊いた新米

今年も家族全員で食卓を囲み、新米をいただきました。噛むほどに甘みがあり、上品な香りがふわっと漂う、あぁうんまい。

夕日に輝く稲穂