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海辺で拾ったビーチグラスを
地域通貨に。各地に広がる
「ビーチマネー」に込められた想い|Page 3

暮らしを考える旅 わが家の移住について
vol.090

Page 3

海をきれいにしたいという想いから
始まったビーチマネー

ちょうどそんなことがあったときに、
『Beach Money Guide』という冊子の撮影を依頼されました。
ビーチマネーというのは海辺でビーチグラスを探し、
それを加盟店に持っていくとサービスが受けられるという仕組みです。

ビーチグラスを手に取る

ビーチグラスというのはもともとは尖っていたガラスの破片が、海の中で長年揉まれて角が取れたもの。

海でビーチグラスを探すことによって
自ずと海のゴミや汚染へ目が向き、
海の美化への関心が高まるのではないか。
そうしてひとりひとりが行動することによって
世界中の海がきれいになっていく、そんな願いが込められています。

冊子『Beach Money Guide 2020』

『Beach Money Guide 2020』の表紙と裏表紙(裏表紙は娘にモデルをお願いして、私が撮影しました)。

飾られたビーチグラスアート

加盟店には、このビーチグラスアートと同じイラストが描かれたステッカーが貼ってあります。加盟店の方々は海を想い、善意でこの活動に協力しています。「お店の方に感謝の気持ちを込めて、ビーチマネーを使用してください」とのことです。この写真を撮影したのは下田市にある加盟店〈spice dog〉。店内で食事をされた方のみ、日替わりドリンクを1杯サービスしていただけます。

ビーチマネーの活動は今年で13年目を迎えます。
この活動を運営しているのは、
湘南から南伊豆に移住をされた堀直也さん。
堀さんは〈エコサーファー〉という会社を立ち上げ、
サーフィンやシュノーケリング、
サバイバルキャンプなどのネイチャーガイドを行っています。

さらに、環境に配慮した洗濯用洗剤
〈All Things in Nature〉の企画・運営にも関わっていて、
現在はその洗剤の売り上げ金が
ビーチマネーの活動資金となっているのです。
立ち上げ当初は堀さん個人の資金で運営していたそうで、
苦労も多かったそう。

浜辺の堀さんご家族

堀さんご家族。エコサーファーについてはこちら

そもそもビーチマネーの始まりは、
この洗剤の製造を手がけている〈がんこ本舗〉の
木村正宏さんからの発案でした。

茅ヶ崎の海の近くにある会社を訪れてくれた人たちに
「自分たちはなかなか海に行くことができないから、
僕らの代わりにビーチクリーンをしてくれないか。
ついでにビーチグラスを拾ってきてくれたら、
自分の店の商品を割引してあげるから」
と木村さんが言ったのが発端で、
このビーチマネーの活動は始まったのだそう。

ビーチマネーを紹介したブックレット

そうして、海のゴミ拾いのついでに拾ってきたビーチグラスによって、
商品の割引が行われ、このアクションが世の中に広がれば
海の美化につながるのではないかと、
木村さんの横で堀さんは考えたのです
(堀さんは当時、がんこ本舗の社員でした)。

〈All Things in Nature〉のボトル

〈All Things in Nature〉は、100%植物由来の成分で、リン、蛍光剤、防腐剤不使用。すすぎなしで使用できるので節水にもなるという、環境にも人にもやさしい洗濯洗剤です。