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ちょうどそんなことがあったときに、
『Beach Money Guide』という冊子の撮影を依頼されました。
ビーチマネーというのは海辺でビーチグラスを探し、
それを加盟店に持っていくとサービスが受けられるという仕組みです。
海でビーチグラスを探すことによって
自ずと海のゴミや汚染へ目が向き、
海の美化への関心が高まるのではないか。
そうしてひとりひとりが行動することによって
世界中の海がきれいになっていく、そんな願いが込められています。
ビーチマネーの活動は今年で13年目を迎えます。
この活動を運営しているのは、
湘南から南伊豆に移住をされた堀直也さん。
堀さんは〈エコサーファー〉という会社を立ち上げ、
サーフィンやシュノーケリング、
サバイバルキャンプなどのネイチャーガイドを行っています。
さらに、環境に配慮した洗濯用洗剤
〈All Things in Nature〉の企画・運営にも関わっていて、
現在はその洗剤の売り上げ金が
ビーチマネーの活動資金となっているのです。
立ち上げ当初は堀さん個人の資金で運営していたそうで、
苦労も多かったそう。
そもそもビーチマネーの始まりは、
この洗剤の製造を手がけている〈がんこ本舗〉の
木村正宏さんからの発案でした。
茅ヶ崎の海の近くにある会社を訪れてくれた人たちに
「自分たちはなかなか海に行くことができないから、
僕らの代わりにビーチクリーンをしてくれないか。
ついでにビーチグラスを拾ってきてくれたら、
自分の店の商品を割引してあげるから」
と木村さんが言ったのが発端で、
このビーチマネーの活動は始まったのだそう。
そうして、海のゴミ拾いのついでに拾ってきたビーチグラスによって、
商品の割引が行われ、このアクションが世の中に広がれば
海の美化につながるのではないかと、
木村さんの横で堀さんは考えたのです
(堀さんは当時、がんこ本舗の社員でした)。