Page 3
この状況のなか、ただ指をくわえて
新型コロナが終息するのを待っていても、
国や自治体の補助を待っていても手遅れになってしまう、
そんな危機感が市内の飲食店経営者を中心に広がり、
まずは飲食店のテイクアウト営業が始まりました。
当初は個々の動きでしたが、SNSなどで情報を拡散することに長けた
若い飲食店経営者が中心になり、
テイクアウトができる飲食店の情報をまとめる
Facebookページが立ち上がりました。
地域住民たちもこぞって今日はここのテイクアウト、
今日はここのテイクアウトとSNSで発信し飲食店の支援。
ただし、この動きには、多くの老舗の飲食店は
ついてくることができません。
というのも老舗飲食店の経営者は、
SNSなどでの情報発信が不得手な高齢の方が多いからです。
そこで、若い世代の飲食店経営者たちが
そんな老舗飲食店に代わって発信したり、
休業中の老舗居酒屋の店主がつくる惣菜を自分の店で売り、
その売り上げはままその店主に渡す、そんな動きまでありました。
その姿に、小さなコミュニティならではの温かさを感じました。
ただ、現実問題としては、地域住民のテイクアウトだけでは
飲食店は厳しいことには変わりありません。
先にも書きましたが下田は観光のまちです。
具体的にいうと2万人の人口に対して
年間300万人の観光客を迎え入れています。
つまり、それだけの観光客に下田の味を楽しんでもらうため、
人口規模に対して飲食店が多くあるということ。
地元の人がいくらテイクアウトで飲食店を支援しても、
観光客がいない現状では限界があるのです。
そこで、Facebookグループの立ち上げメンバーでもあり、
市内に4店舗の飲食店を経営する徳島一信さんが中心となり、
次の動きが始まりました。