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下田で始まったクラウドファンディング
「新型コロナから伊豆下田を守りたい!
緊急支援プロジェクト」|Page 3

暮らしを考える旅 わが家の移住について
vol.082

Page 3

広がる支援の輪、クラウドファンディングへ

この状況のなか、ただ指をくわえて
新型コロナが終息するのを待っていても、
国や自治体の補助を待っていても手遅れになってしまう、
そんな危機感が市内の飲食店経営者を中心に広がり、
まずは飲食店のテイクアウト営業が始まりました。

当初は個々の動きでしたが、SNSなどで情報を拡散することに長けた
若い飲食店経営者が中心になり、
テイクアウトができる飲食店の情報をまとめる
Facebookページが立ち上がりました。
地域住民たちもこぞって今日はここのテイクアウト、
今日はここのテイクアウトとSNSで発信し飲食店の支援。

テイクアウトした〈MINORIKAWA〉の料理

微力ながらわが家もテイクアウト&発信で地元応援に参加。SNSグループの立ち上げにも尽力したスペイン料理〈MINORIKAWA〉は下田の名店のひとつ。カメラマンの妻は気合を入れて撮影し発信。これがいま自分のできること、と。(津留崎徹花 Instagram

ただし、この動きには、多くの老舗の飲食店は
ついてくることができません。
というのも老舗飲食店の経営者は、
SNSなどでの情報発信が不得手な高齢の方が多いからです。

そこで、若い世代の飲食店経営者たちが
そんな老舗飲食店に代わって発信したり、
休業中の老舗居酒屋の店主がつくる惣菜を自分の店で売り、
その売り上げはままその店主に渡す、そんな動きまでありました。
その姿に、小さなコミュニティならではの温かさを感じました。

居酒屋〈賀楽太〉のテイクアウト料理

僕も妻も下田に移住してからすっかり虜になった、下田が誇る居酒屋〈賀楽太〉も休業中。賀楽太の料理、店主佳代さんのファンは地元民にも観光客にも多く、個人的には(いや、多くの人が)このまちの宝とさえ思っています。佳代さんはこのまちを訪れる人に、まちの人に元気を与え続けてきました。そしていま、まちの若い世代が佳代さんに恩返しをしています。

ただ、現実問題としては、地域住民のテイクアウトだけでは
飲食店は厳しいことには変わりありません。

先にも書きましたが下田は観光のまちです。
具体的にいうと2万人の人口に対して
年間300万人の観光客を迎え入れています。
つまり、それだけの観光客に下田の味を楽しんでもらうため、
人口規模に対して飲食店が多くあるということ。
地元の人がいくらテイクアウトで飲食店を支援しても、
観光客がいない現状では限界があるのです。

そこで、Facebookグループの立ち上げメンバーでもあり、
市内に4店舗の飲食店を経営する徳島一信さんが中心となり、
次の動きが始まりました。

「新型コロナから伊豆下田を守りたい! 緊急支援プロジェクト」Webページ

クラウドファンディングがスタート。