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伊豆下田の美しい自然が織りなす絶景!
そこで起きている問題とは……|Page 4

暮らしを考える旅 わが家の移住について
vol.077

Page 4

感動、感謝で終わってはいけない

最も残念で、悲しくなるのが、海岸に捨てられた
ゴミを目の当たりにしたときです。
最近は海洋プラスチックゴミ問題についてよく報道されているので、
海岸にゴミが広がっている映像などを
ご覧になったことがある方も多いかと思います。

まさにその景色が周辺の海岸にも広がっているのです。

地域の活動でビーチクリーンをしたり、
プライベートで浜に行った際にゴミを拾うこともあるのですが、
とても拾いきれる量ではありません。
また拾おうにも、紫外線で傷んだプラスチックやビニールは
粉々になってしまい、うまく拾いきることができないのです。

海岸でのゴミ拾い

地域の子どもたちと定期的に集まって海岸に落ちているゴミを拾っています。誰かが捨てなければこんな風にはならないはず。子どもたちは捨てた大人をどう思うのか? そんなことを考えるととても複雑な気持ちになります。

粉々になったプラスチックは海の魚の胃の中に入り、
最終的には、その魚を食べるわれわれ人間の胃の中に入っていく
という報告もあります。

つまり、ゴミを捨てた自分たちの身に返ってきているわけです。
ほかの多くの生物の犠牲を伴い……。

北海道のクジラ

こちらは北海道で撮影したものですが、人間と同じく生態系の頂点にいるクジラの遺体の胃袋からも、大量のプラスチックが出てきています。近い将来、海には魚よりゴミが増えるという報告もあるほどです。

海のゴミというと海や海岸に捨てられるゴミをイメージしがちですが、
実は8割が陸上から川へ、川から海に流れ着くゴミとのこと。

不法投棄された粗大ゴミ

たとえば、どこの地域でも問題となっている耕作放棄地には、
資材、ゴミなどのプラスチック、ビニールが放置されています。
山に入ると不法投棄された粗大ゴミを目にすることもあります。

古くなった木材や紙は土に還っていくのですが、
プラスチック、ビニールは土に還らない。
これらが紫外線で傷んで粉々になり、それが雨で流されて川へ、
そして海に流れ着けば海洋プラスチックゴミとなるわけです。

まちも農地も山も川も、海とつながっている。
そう想像することが大切なのかもしれません。

熊本県水俣の海

こちらは昨年、夏に訪ねた熊本県水俣の海です。「公害」の原点、水俣病から学ぶことは多いように感じます。この海に化学工場から有機水銀を含む排水が流されて多くの悲劇を生みました。

このように、下田に移住してきてから、
美しい自然が織りなす絶景が暮らしの一部になりました。
日々、美しい自然に感動し、感謝しています。

でも、感動、感謝で終わってはいけない。
とても残念なことだけど、この時代においては
その「美しい自然」は意識的に守っていかなければ、
後の世代に継ぐことができない。

そう感じるようになったことも、
移住してからの大きな変化でもあります。

海上の風力発電用風車

美しい自然を守るといえば、以前お伝えした「南伊豆洋上風力発電事業計画」がどうなるのか? ということもこの地域にとっては大きな問題です。昨年末に伊豆漁協や下田市長も反対の声をあげて、地域が一丸となり「大規模開発から海を守る」という雰囲気になってきています。いま、住民による反対署名の準備中とのこと。こちらの件でも動きがあれば、またこの連載で報告します(写真はイメージです)。