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最も残念で、悲しくなるのが、海岸に捨てられた
ゴミを目の当たりにしたときです。
最近は海洋プラスチックゴミ問題についてよく報道されているので、
海岸にゴミが広がっている映像などを
ご覧になったことがある方も多いかと思います。
まさにその景色が周辺の海岸にも広がっているのです。
地域の活動でビーチクリーンをしたり、
プライベートで浜に行った際にゴミを拾うこともあるのですが、
とても拾いきれる量ではありません。
また拾おうにも、紫外線で傷んだプラスチックやビニールは
粉々になってしまい、うまく拾いきることができないのです。
粉々になったプラスチックは海の魚の胃の中に入り、
最終的には、その魚を食べるわれわれ人間の胃の中に入っていく
という報告もあります。
つまり、ゴミを捨てた自分たちの身に返ってきているわけです。
ほかの多くの生物の犠牲を伴い……。
海のゴミというと海や海岸に捨てられるゴミをイメージしがちですが、
実は8割が陸上から川へ、川から海に流れ着くゴミとのこと。
たとえば、どこの地域でも問題となっている耕作放棄地には、
資材、ゴミなどのプラスチック、ビニールが放置されています。
山に入ると不法投棄された粗大ゴミを目にすることもあります。
古くなった木材や紙は土に還っていくのですが、
プラスチック、ビニールは土に還らない。
これらが紫外線で傷んで粉々になり、それが雨で流されて川へ、
そして海に流れ着けば海洋プラスチックゴミとなるわけです。
まちも農地も山も川も、海とつながっている。
そう想像することが大切なのかもしれません。
このように、下田に移住してきてから、
美しい自然が織りなす絶景が暮らしの一部になりました。
日々、美しい自然に感動し、感謝しています。
でも、感動、感謝で終わってはいけない。
とても残念なことだけど、この時代においては
その「美しい自然」は意識的に守っていかなければ、
後の世代に継ぐことができない。
そう感じるようになったことも、
移住してからの大きな変化でもあります。