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もちろん、工場生産されたものが悪いということではありません。
ただ、両方を見比べられる環境にいたら、
手づくりの正月飾りが本来の姿のように感じられたのです。
時代を少しさかのぼってみれば、もともとは各家庭でつくっていたはず。
田んぼで刈り取った稲わらを干しておき、それを綯(な)って
(編んでという意味)正月飾りをつくっていたのです。
と言いながら、東京生まれの私は実際には経験していないので、
米どころ新潟出身の83歳になる義母に聞いてみました。
すると、幼少期にはやはり家族で稲わらを綯って
正月飾りをつくっていたそうです。
「まわりもみんな農家だったし、
正月飾りを売ってるところなんてなかったよねぇ」と。
そして、餅つきをするときに蒸かした餅米を
母親につまみ食いさせてもらったんだ、なんて
正月の話をとてもうれしそうにしてくれました。
そして、わが家の昨年の正月飾りはというと。
一昨年せっかく近所の方に教えてもらったのだから自分でつくろう、
と思いながら、前述したようなひっ迫した状況に……。
最後の力を振り絞って(大げさです)明日こそつくるぞ!
と思っていたら、教えてくださった鈴木さんが
わが家に届けてくれるという、なんとありがたいことか。
そうして12月28日にわが家の玄関に飾り、
年越しを東京の実家で過ごしました。