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ユネスコ認定世界ジオパークの
伊豆半島。地元住人が教える
下田の「ジオサイト巡り」|Page 3

暮らしを考える旅 わが家の移住について
vol.059

Page 3

暮らしのそばに、ジオサイト

まずは、そもそもジオパークって? 
ジオサイトって何? というお話から。

地球(ジオ)の成り立ちにとって重要かつ地質学的に価値があり、
保護や教育などの目的で管理されているエリアを「ジオパーク」といい、
ユネスコが認定するものが「ユネスコ世界ジオパーク」。
またその特徴がよく出ている場所を「ジオサイト」というようです。

では、伊豆半島のどこに地質学的な特徴があるのか?
こちらのサイトに載っている図を見ると一目瞭然なのですが、
伊豆半島は日本列島で唯一、
「フィリピン海プレート」に乗っている地域なのです。

はるか昔、南洋にあった海底火山によってできた島が
プレートの移動によって日本列島につながり、
伊豆半島になったといいます(フィリピン海プレートは
いまでも年間4~5センチメートルの速さで
北西方向に移動しているそうです)。

ということで、遠く南からやってきた火山の島、伊豆半島は
日本列島のほかの地域とは違う独特の地形が目白押し。
そんな地形が、ここでの暮らしでは、
びっくりするくらい身近にあるのです。

まずはわが家のすぐ近くのジオサイト、「柿崎弁天島」です。

伊豆特産の天草

下田湾を臨む柿崎弁天島。この時期は伊豆特産の天草(テングサ:寒天、ところてんの原料)が港に所狭しと干してあります。

島とはいっても地続きのこの島では、
斜めに走る地層に大地の動きを感じることができます。
また、幕末に吉田松陰がペリーの乗る黒船に乗り込もうと企てて
失敗した場所という、歴史的にも重要なスポットでもあります。

柿崎弁天島

波や風が地層を侵食してこのような造形になるそうです。

実は、いまは小学生になった娘が移住当初に通っていた保育園の
バスの集合場所が、この弁天島の近くでした。
地元の方にとっては当たり前のジオサイトや
歴史スポットがバスの集合場所というのが
なんだか不思議な感覚だったことをよく覚えています。

伊豆下田のジオサイト巡り

このゴールデンウィークにはジオサイト巡り、歴史スポット巡りの方や釣り人で賑わっていました。

次は、先述したJRのCMに登場して以来、
観光客が増加中という「恵比須島」をご紹介します。

恵比須島

軽石や火山灰が織りなす美しい地層

軽石や火山灰が織りなす美しい地層、荒々しい水底土石流など、
太古の海底火山の名残が感じられます。
わが家から徒歩圏内ではありませんが、車で10分ほど。

実は娘がこの近くで習い事をしているので、
待っている間にこちらを散策することも。
観光客が増えたといっても僕が行くのは平日の夕方なので人はまばら。
誰もいないということもよくあります。

長い時間をかけて地球がつくった美しい景色の中、誰もいない。鳥しかいない

長い時間をかけて地球がつくった美しい景色の中、誰もいない。鳥しかいない。そんな時間がふと持てる暮らしが、長く東京で暮らしてきた僕には新鮮です。

子どもたちは磯遊びに夢中

友人が下田に来てくれたときに遊びに行く定番コース。子どもたちは磯遊びに夢中になります。