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下田のまちを灯し続ける
食堂〈Table TOMATO〉と
イベント「風待ちテーブル」のこと|Page 3

暮らしを考える旅 わが家の移住について
vol.057

Page 3

世代を超え、まちを灯し続ける「場」

そして、2017年のGWにTable TOMATOはオープン。
そのオープンの1か月前にわが家は下田に移住してきました。

全面窓から見た〈Table TOMATO〉の店内

僕は、移住してきて土地に馴染めば
自分が生かせる仕事が見つかるのではという思いがあり、
仕事を決めていませんでした。

その頃、下田に移住したなら……と知人から
真由美さんを紹介していただきました。
真由美さんは移住してきたばかりで仕事をしていない、
そして飲食店経営の経験があった僕に
「お店の忙しいときに手伝わない?」と声をかけてくれたのです。

そして、毎年5月中旬に開催される、下田が最もにぎわうイベント
「黒船祭り」での営業を手伝わせていただくことになりました。

「黒船祭り」営業のときにお店の外で娘と撮影

その場でさまざまな人と出会いました。
移住してきたばかりで下田に人脈のなかった僕にとって、
「仕事」以上の価値のある時間でした
(いま、取り組んでいる養蜂と建築の仕事も、
ともにTable TOMATOを通じてつながったのです)。

高橋養蜂の蜂蜜

いまでも月に何度かは、
いちTableTOMATOファンとして足を運んでいます。

メニューが書かれた黒板

黒板にはその日のおすすめメニューがずらり。

正直なところ当初はこう思っていました。
「ご両親がやっていた店を引き継いだということだし、
物件を所有していて家賃がかかっていないから、
月に10日の営業でやっていけるのかな……?」

ところがそれは大きな勘違いだったと
真由美さんといろいろと話をするようになって知りました。
しっかり家賃がかかっていて、真由美さんが毎月納めているというのです。
月10日の営業で家賃を捻出するというのは
なかなか厳しいように感じます。

〈Table TOMATO〉の看板

家賃のこともあり、店を引き継ぐか? という選択は
人生の中で一番悩み抜いたといいます。
でも、そこまでしてもご両親の築き上げてきた
「TOMATO」の歴史を途絶えさせたくなかった。
そして真由美さんにとっての故郷、
下田のまちを灯すあかりを途絶えさせたくなかったといいます。

開店して2年経ったいま、TOMATOのファンは確実に増えています。

ランチ営業の風景