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わが家が下田に移住して、この4月でちょうど2年になります。
早いもので3年目になるわけです。
「光陰矢の如し」という言葉を実感する日々。
一日一日を大切に過ごしていこうとあらためて感じています。
そして、今回はわが家が下田に移住してきたのとほぼ時を同じくして
下田にオープンした〈Table TOMATO〉の話です。
伊豆は海にも山にも恵まれた食材の宝庫。
Table TOMATOはそんな伊豆の食材を
さまざまな料理で楽しませてくれます。
ランチメニュー「10種の伊豆づくし惣菜」。(撮影:山田真由美)
営業日は月に10日程度、曜日や日にちが決まっているわけでなく
毎月SNS(FacebookとInstagram)で営業日が告知される
イレギュラーな営業形態です。
オーナーの山田真由美さんはTable TOMATOを営む一方、
本業は編集・ライターという多才な方。
神奈川県湘南エリアに拠点を持ち、営業の際には下田の実家に戻り
Table TOMATOを切り盛りしています。
(撮影:山田真由美)
なぜそんなイレギュラーな営業形態をとっているのか?
(写真提供:K Design Oficce 渡辺一夫)
そもそも、この店舗は2017年2月までは
真由美さんのご両親が営まれていたセレクトショップ
〈TOMATO CLOSET〉でした。
〈TOMATO CLOSET〉だったころの店内。(写真提供:K Design Oficce 渡辺一夫)
TOMATO CLOSETは、〈ZUCCa〉や
〈コムデギャルソン〉などをラインナップしている、
よくある観光地や地方のブティックとは一線を画す店だったそうです。
「この通りだけでも東京の青山のようにしたいんだよね」と語っていたというTOMATO CLOSETオーナー、山田真由美さんの義父・土屋賀弘(よしひろ)さん。(写真提供:K Design Oficce 渡辺一夫)
土屋さんと義父という関係になる前、真由美さんの学生時代、
TOMATO CLOSETは憧れの店だったそうです。
足繁く通い、この店を通じて、服だけでなく
ジャズやコーヒーの魅力を知ったといいます。
こうしてTOMATO CLOSETは1980年のオープン以来、
37年もの長きにわたり下田のまちで文化を発信し続けてきました。
「TOMATO CLOSETの役目は終わった」と
閉店を決めた土屋さんはおっしゃっていたそうです。
真由美さんは下田のまちの灯りを途絶えさせたくないという思いで、
得意の料理を生かしてTable TOMATOとして
引き継ぐことを決意したのです。