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その頃、暖かくなってきたのでミツバチたちも活発に活動し始めました。
養蜂の季節のはじまりです。
ミツバチたちは行動範囲といわれる
巣から半径2キロ以内にある花の蜜をたくさん集めてくれます。
巣には桜やふじなどの春の花の蜜がたまっていきます。
巣箱の中に、ミツバチが巣をつくるための板「巣枠」が最大8枚入っていて、
その巣枠の中の巣房(6角形のひとつひとつの部屋)に
働き蜂が蜜や花粉を集めます。
中央の胴体の色が違うのが女王蜂です。
こちらはまだ産まれたてなので、まわりの働き蜂(メス)と
大きさの違いがあまりありませんが、最終的には2、3倍の体重になります。
働き蜂の寿命は1か月、女王蜂の寿命は平均3年で、
女王蜂のみが卵を産み、その数は1日1500~2000個!
もちろん、雄蜂もいます(1群に数百から1000匹程度)。
働き蜂より少し大きくて黒っぽい雄蜂は交尾以外は何もしないという怠け者。
少しうらやましいと思ってしまいましたが、
秋になると働き蜂に巣から追い出されてしまうとか
(それはうらやましくない……)。
蜜がたまってくると蜂たちは巣の中で羽で風を起こし、
たまった蜜にあてます。
そうして蜜の水分を飛ばして熟成させるのです。
充分に熟成させたら、ミツバチたちは蜜で蓋(蜜蓋といいます)をして
余計な水分が入らないようにします。
この時期に雨が続くと蜜を集めることができなくなってしまい、
ミツバチが自ら消費してしまうのでなかなか蜜は増えませんが、
今年はうまく集まりました。
蓋の割合が多くなった巣枠を養蜂場から作業場に持ってきて
採蜜(巣の状態からハチミツにする作業)します。
こうして春の蜜を採蜜した巣枠を再び山に戻して、
みかん畑の多いエリアに巣ごと移動。
下田はみかんの生産が盛んで、多くの種類が栽培されていて、
夏前、しばらくみかんの花が咲き続けるのです。
巣にはみかんの蜜がたまり、また巣に蓋がされていきます。
ということで春の蜜に続き、初夏に「みかんの蜜」を採蜜します。
再び巣枠を巣箱に戻し、みかん畑から別の場所に移動。
そうすると、今度は夏の花「カラスザンショウ」などの蜜を
たっぷりと集めてくれ、再び採蜜します。