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大人だけの来客時には、ソトノミ。
昭和湯でひと風呂浴びたあと、夕暮れのまちをプラプラ歩いてお店まで。
先日出かけたのが、〈賀楽太〉という居酒屋です。
このお店、「下田にはこんなすてきな店があるんだよー!」
って叫びたくなるほどの名店です。
メニューはなく、店主の土屋佳代子さんが
旬の食材を次から次へとふるまってくれます。
「もう、お腹いっぱいです!」と宣言するまで、
佳代子さんが料理を出し続けてくれるという至福のスタイル。
飲んべえにはたまらないアテの数々を、
キーンと冷えた日本酒を傾けながら味わえます。
「いや~、幸せだ~。テッカちゃん、本当にありがとう!」
と感激していた友人。その晩、私たちは腹12分目まで食べ続け、
「いや~、おいしかったね~」と余韻に浸りながら床に着いたのでした。
もう一軒、下田に来たらぜひ! というのが
外浦海岸にある〈万宝〉という干物屋さん。
「いや~、すごい、ここはすごいわ」と、
炭火で焼いた干物の味わいとお店の雰囲気に感動していたカメラマンIさん。
「この塩辛、いままで食べた塩辛史上で一番おいしい……」と、
このお店のもうひとつの名物である自家製塩辛にうなっていた料理家Sさん。
というくらい魅力的なお店で、ある意味、下田のハイライトともいえます。
こちらのお店はケースの中からお好みの干物を選び、
お店の方に炭火で焼いていただくというスタイル。
そして飲み物(アルコールもOK)やご飯、
漬け物などの持ち込自由という太っ腹なお店です。
つまり自分の好きなお酒を飲みながら、
炭火でじっくり焼いた干物を味わうことができるのです。
「テッカちゃんにどう感謝したらいいか……」と友人がつぶやくほど、
下田を満喫できるお店です。
こうした名店もあり、豊かな自然にも囲まれている下田。
友人たちと遊びながら、またあらためて下田の魅力に触れています。
今回、この原稿を書くために昨年の連載を読み返してみました。
すると、「来年の夏には、民宿を始めたい」と書いてありびっくり。
そうか、そうだった……、すっかり書いたことを忘れている本人。
そして、実際に1年経ってみると違う方向に向かい始めているわが家。
夫は養蜂と建築の仕事が楽しそうだし、
私はまだ下田での暮らしのバランスを調整中といったところ。
1年やそこらでは、まだまだ生活は落ち着かないものですね。
というのも、実際に移住してみてわかったことです。
民宿をやるなんて早すぎるよと、昨年の自分に突っ込みたい気分。
来年はどんなことを書いているのやら。