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田んぼや畑、パンを焼くことなど、
下田で暮らし始めてから趣味が増えています。
そして最近またひとつ、新しい趣味ができました。
それは野菜を撮影することです。
下田で暮らす魅力のひとつとは、農産物直売所の存在です。
この直売所は、私にとっては栄養補給の場所。
並んでいる野菜がとにかく瑞々しく生命力にあふれていて、
眺めているうちに自分も力がみなぎってくるのです。
下田にはたくさんの生産者さんがいて、
朝採ったばかりの野菜を直売所に卸しています。
つまり、ついさっきまで土とつながっていた、
まだ呼吸をしている野菜と出会えるのです。
かぼちゃを切ると水分が湧き上がってきたり、
ジャガイモの袋は吐息で曇っている。
そうした姿を目にすると、
「野菜も生きているんだな~、ひとつの命なんだな~」と気づかされます。
大げさかもしれませんが、ちょっと涙が出そうになるような感動です。
そうした野菜を撮影するというのが、
私の新たなライフワークとなっています。
東京に住んでいたときには経験したことのない感覚です。
趣味というのかライフワークというのか。
そういうことに時間を使えるようになったのは、
仕事に費やす時間が減ったからです。
つまり仕事が減ったということ。
東京の撮影に出かけるのは月に1、2回。
そのほか下田近辺での撮影が時々。
その程度の仕事量なので、娘が小学校から帰宅するときには
「お帰り~」と出迎えられるわけです。
そして、おやつを食べて宿題を一緒にやる。
おかしなハナシですが、「私って、まるで母親みたい……」と
不思議な気分になることがあります。
だって、少し前まではバタバタと毎日撮影に出かけ、
保育園のお迎えギリギリに駆け込んでいたのです。
あの頃といまとでは、あまりにも生活スタイルが違う。