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そして、やってきた田植えの日。
わが家を含めて、奥さま3名、旦那衆2名、
小6男子1名、小1女子2名、3歳女児1名という布陣です。
皆の都合もあるので1日で終わらせる計画ではありますが、
何しろ初めてのこと、この人数が多いのか少ないのかもよくわかりません。
もしも、終わらなければ翌日、わが家だけで残りを仕上げよう、
それくらいの気持ちでいました。
朝は南伊豆米店代表、中村大軌さんも指導に来てくれて、
手植えの仕方、コツなどを伝授してくれます。
そして、いよいよ田植えスタートです。
1時間半ほどやってみて、少しペースが見えてきたところで一服。
でも、田んぼを見るとまだまだ4分の1くらい。
誘って来てもらった友人たちにそんなに無理させるわけにもいかないし、
やはり、明日、わが家だけ来てコツコツ仕上げるしかないかな……。
なんて思っていたその矢先、自分の腰に不吉な痛みが走りました。
5年前のぎっくり腰の再発? というくらいの激痛です。
普段、自分は農園仕事をしているので、体力的には問題ないはず、
とタカをくくっていたのですが、
腰をかがめていないと歩けないというひどい状態。
こんな腰では、明日、わが家だけ残りを植えるなんてのは到底無理です。
それからの作業は腰をかばいながらの超スローペース。
本当に、本当に情けない……。
友人男性はさすがのパワーを見せてくれてはいたのですが、
昼過ぎには仕事があり、仕方なく撤収。
その時点で、男手は超スローペースの自分と小6男子君のみということに。
女性陣が妻と友人奥さまふたりと小1女子ふたり
(3歳女児はさすがにお手伝いにならず、
おばあさまが途中でお迎えにいらっしゃいました)。
奥さま3人は普段あまり体を動かしてなさそうだし、
体力もたないだろうな……と、失礼な話、あまり期待していませんでした。
すっかり弱気になった小6男子君は
「あの機械でやってる人に頼んでやってもらおうよ~」と言い出す始末。
南伊豆米店の稲作支援制度で米づくりをしている方の中には、
一部手植えで、大部分を田植え機でというやり方を
とっている人もいると聞いたし、途中から機械……
それもありかと、僕もすっかり弱気になってしまいました。
ところが、そんな弱気モードを吹き飛ばすかのように、
奥さまたちが実に手際よく、植える、植える、植える。
夕方近くなってもペースが落ちないどころか、
コツを得てペースがあがっていく感じです。
また、小1女子コンビも頑張りました。
苗持ってきて~と声がかかると、足場の悪いなか、
よっこらせよっこらせと持っていきます。
そして、弱気モードだった小6男子君も後半、本当にがんばってくれました。
「このひと株でご飯茶碗1杯だよ!
秋からは自分で植えた米を食べれるんだよ!」
という言葉が、白いご飯が大好物という彼を奮い立たせたようです。
まさに家族で力を合わせて! といういい空気感が漂っています。
そして、16時半にもなろうという頃に、手植え完了!!
なんという達成感でしょうか!
(腰を痛めた僕はあまり使いものにならなかったのですが、
いっちょ前に達成感は感じさせてもらいました……)
もちろん、1日がんばってくれた奥さまたち、
小6男子君、小1女子コンビも大喜び。
さっそく、南伊豆米店の中村さんに連絡。
終わったよ~と報告すると、
え! 終わらないと思ってたよ! という返事が返ってきました。
プロすら読み誤る、奥さまパワーと小6男子のお米大好きパワー!