Page 2
前回、私が書いた
「カメラマンときどきパン屋という暮らし方」という記事。
多くの方に読んでいただきありがとうございました、最高にうれしいです。
パン屋については今後のやり方をあれやこれやと模索中です。
「てつパン食堂」を時々開催しながら、
月に何度か通信販売という方向を今後考えています。
「通販待ってます!」という声をいただくたびに、
早くスタートしなきゃ……とも思うのですが、
焦ると自分を追い込んでしまいそうで。
ここは機が熟すのを待ちながら、ゆっくり準備していこうと思います。
今後の動きはまたこの連載でお知らせいたします。
最近、我が家の暮らしが少しずつ変わり始めました。
きっかけは友人が貸してくれた『クリアファイル家計簿』という本でした。
その本には、1日の食費・日用品の買い物を
2000円に収めるという方法が書かれています。
我が家の家計が少なからず気がかりだった私はその本に飛びつき、
翌日から実行開始。当初は家計を見直したいという目的でした。
もちろんその効果もあったのですが、
ほかにも我が家に多大なる変化をもたらしてくれたのです。
それは何かといえば、冷蔵庫。
買いすぎがなくなったおかげで、以前はパンパンで
開けるとちょっと嫌な気持ちすらしていた冷蔵庫が、
見違えるほどすっきりしたのです。
私にとって、それは涙が出るほどうれしい出来事でした。
というのも、長い間ずっと悩んでいたのです。
ついつい無計画に買ってしまう食材が、
いつも冷蔵庫の片隅で置き去りにされている。
それを目撃するたびに「あ~、食べ物を無駄にして……、
本当にダメな自分……」と、ため息をついていました。
買い置きが減ったことにともない、料理も徐々にシンプルになりました。
使う野菜は3、4種類。
ご飯を炊いて味噌汁をつくって、朝は漬物と海苔、納豆。
夜はおかずを1品足すという具合です。
もちろんパンとスープのときもあるし、
凝ったものをつくってイベント的に楽しむこともあります。
けれど、おおよその食事が簡素になったことで、
メニューに悩むこともないし、調理時間も格段に減りました。
その分余裕ができて、食材に対して丁寧になったかもしれません。
例えば、前は急いでザクザク切っていた白菜の葉っぱを、
一枚一枚はがすようになったり。
段々小さくなっていく白菜を妙にかわいいと思ったり
(夫もかわいいと思っていたらしい……)。
その感じがなかなかよいのです。
いまでこそそんなことを言っていますが、
ちょっと前までは余るほどの料理をつくっていましたし、
残り物と残り野菜とで冷蔵庫は常にパンパンの状態でした。
いま思えば、食事の支度がおっくうなこともたびたびありました。
つまりそれは私にとって過剰だったのですね。
ぐるっと一周して、ようやく落ち着く場所に戻ってきたような感覚です。