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住宅街で畑つきの大きな家。
気になる物件の内見へ、
伊豆下田の旅|Page 4

暮らしを考える旅 わが家の移住について
vol.014

Page 4

心強い人たちの存在

ひと通り見終わりました。わくわくがとまりません……。
とにかく一度落ち着こうと物件をあとにしました。

そして、不動産屋さんの社長から、ご自宅の庭になっている
はっさくを採りにこないかとお誘いいただきました。
社長のご自宅は物件からすぐ近くにあり、
ここに住むことになったら頼もしい存在になりそうです。

何種類もの柑橘がなる庭。柑橘に目がない娘は大喜びです。賃貸物件を検討中の家族を自宅にまで招くというのは東京の不動産屋では考えられないことです。地方で知り合う人はこうした余裕がある気がします。

その後は家族3人で下田港を散策。
釣りをしている人たちで賑わっていて、魚好きな娘は
「ここで魚を釣って焼いて食べたい!」と目を輝かせながら話しています。

そして、紹介していただいた民宿〈真砂〉さんへと。
とても居心地のよい宿で、ご主人の河井文博さん、女将さんの恵美子さんとは
初めてお会いするとは思えないくらいになじんでしまいました。

郷土料理に目がない妻はさっそく、女将さんにいろいろと教えてもらっています。

移住についても相談させていただきました。
ありがたいことに、女将さんは一緒に物件を見に行ってくれて
「ここはいいよ!」との太鼓判を。
地元の方からも太鼓判を押されるというのはとても心強いです。

さらには米づくりやら餅つきやら、いろいろと一緒にやりましょう
とのお誘いまでいただきました。
自分たちの食べる米を自分たちでつくりたいと思ったことは、
移住を決めた大きなきっかけでもあります。
田んぼをどう探そうか、米づくり未経験なので
どなたかのお手伝いから始めたい、と思っていたところでの
このようなありがたいお誘いです。

河井さんの田んぼ。宿のお米はすべてこちらでつくっているとのこと。

米は自家製。魚は地物。土に海に太陽に感謝。

前回の三重のこともあり、かなり慎重になっていた妻も、
物件を地元の方に太鼓判を押されたことや、
こうして縁がつながっていくことに安心し始めたようです。

「あの家で始めようか」

妻も僕もそう考えていました。

三重の山奥に暮らし始めて、環境の違いになじめず
撤退したという経験がなかったら、
もっと里山の古民家という雰囲気を求めていたのかもしれません。

でも、あの出来事があってのいまのわが家なのです。
ここでなら娘も暮らしを楽しめる。
家族3人で暮らしをつくっていける。そんな気がします。

翌日、不動産屋に再度足を運び、物件の申し込みをしました。
家主さんの荷物の片づけなどがあるので
入居は4月からということになりました。

4月、新しい暮らしをスタートするにはちょうどいい季節です。
暮らしを考える旅はまだまだ続きます。

information

map

民宿まさご

住所:静岡県下田市吉佐美1757

TEL:0558-22-475

Web:http://www.masago-kisami.com/

文 津留崎鎮生