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移住先探しの旅に話を戻します。
淡路島から再び美杉に向かうことになったわが家。
その目的は、岡山、徳島、淡路島と巡ってきたその足で
美杉を見たらどう感じるのか?
そして沓沢夫妻に移住を決心したことを報告したい、ということでした。
さらに、美杉の現状を確認したかったことがひとつ。
この旅で、ある人から地域によっては水の問題があるため、
移住希望者がお米をつくるのはハードルが高いかも?
と言われたことが気になっていて、その点は美杉はどうなのか。
沓沢家も移住者でありながら米づくりをしていて、
店ではつくった米を出しています。
沓沢家に到着。淡路島から来たので、初めての大阪経由のルートです。
道もスムーズに流れていて大阪から2時間ほどで到着。
東京からだと名古屋経由で来るのですが、名古屋からも約2時間。
ふたつの大都市から車で2時間で来られる立地。
客商売には意外と向いているのかな、そんなことまで考えてしまいます。
そして、自分たちが移住する決意をしたこと、
移住先探しの旅に出たことを報告。沓沢夫妻としても、
わが家のこの動きを楽しんでくれているようで、ほっとしました。
その夜には、美杉での暮らしについていろいろとうかがいました。
米については、美杉は田んぼも余っているし、
水も豊富なので、心配しなくていいよ、と。
そして、さらには「もし、美杉に来たら一緒に米、つくろうよ」
という、アニキと慕う敬さんのありがたいお言葉。
また、沓沢家の娘さんとうちの娘はとても気が合うようで、
遊んでいるのを見ていると本当の姉妹のよう。
もしも、沓沢家の近くに住むことになれば
娘が友だちがいなくて寂しがるかも? といった不安はないのか……。
といっても物件がなければ移住はできません。
ネットで探すと美杉の物件は少なからずは出ているのですが、
美杉といっても冒頭でも書いたとおり、かなりの広さがあります。
前回挙げた条件を満たすような立地と自給ができる土地
(300坪をひとつの目安としています)と金額の物件は
なかなか見つかりません。
そう簡単には条件を満たす物件、出るわけないよなあ……。
だから、移住先を探す旅をするのだ!焦ることはない!
と自分に言い聞かせました。
そんな時、佐知子さんから意外なひと言が。
「うちの近くの物件、売りに出してるみたいよ。明日、見に行ってみない?」
なんでも沓沢家から歩いて行けるくらいの物件らしいです。
といっても、ネットなどで探した際には、
考えている条件に近い物件が美杉にはあまりないという現実もあり、
あまり期待はしていませんでした。
翌日、その物件を見に行きました。そして、なんと。
「あれ? いいかも……」と思ってしまったのです。
土地の広さも目安としている300坪以上ありました。
金額的には、予算オーバーではあるのですが、
どうにか交渉すれば予算内におさめられるかも? というオーバー具合。
うーん……。まさか、突発的に美杉に立ち寄り、
いいかも!? と思える物件に出会ってしまうとは……。
といっても、いきなりこの物件を買うという決断は
できません(賃貸だったらなあ……)。
とにかくヒートアップした脳みそを冷やそうと。
物件の見学を最後に、その旅は終えることにしました。
沓沢夫妻に、その物件がかなり気になっているということを興奮気味に伝え、
東京へと戻ります。
気になる物件が具体的に出てくると、
いよいよ「移住」が現実味を帯びてくる、そう感じました。
いままでにはない感情でした。
そして、東京に戻り、次の移住探しの旅に出るまで少し時間があるので、
その物件をどうするか? これからの移住先探しの旅をどうするのか?
冷静に考えてみようと思います。
あまりにも濃い旅がひとまず終わります。
さあ、わが家の移住先探しの旅、どうなるのでしょうか……。
information
農家民宿なかや
information
日本料理 朔
住所:三重県津市美杉町八知3541
営業時間:11:30~16:00(11:30~と13:15~の2回)
定休日:水曜・木曜・金曜
*各回6名まで、完全予約制、4300円(税込)のおまかせコース