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移住先探しの旅は岡山へ。
心揺さぶられた
牛窓町の陶芸家夫妻の暮らし|Page 4

暮らしを考える旅 わが家の移住について
vol.002

Page 4

岡山で暮らしてみたい…
かもしれない

証ちゃんが展示会をしていたのは、岡山市内にある〈ゆくり〉というお店。
中庭のある古い民家がとてもすてきで、窓から差し込む光が気持ちよく、
つい長居をしてしまうようなお店だ。
その日、ゆくりで寺園家の友人らが集まってみんなで食事をするというので、
私たちも参加させてもらった。

今回〈ゆくり〉で開催されていたのは、証ちゃんと写真家ムサシさんの二人展。

ムサシさんが切り取った、寺園家の日常やアフリカで出会った動物などの写真も展示されていた。寺園家もアフリカの動物も、なんというか愛の塊で、ムサシさんの優しい眼差しに、同じく写真を撮る者として嫉妬すら感じた。すばらしい写真でした!

食卓を囲んでいたのはほぼ岡山在住の方々で、
他県から来ているのは私たちとほか数人のみ。
自分たちが移住先を探しているという話をすると、
「岡山いいとこだよー、岡山にぜひ!」とみんな笑顔で誘ってくれる。
どんなところがいいんですか? と聞くと、

「野菜も魚もおいしいし、水も空気もおいしい!」

たしかに、目の前に並んでいる岡山県産の野菜も魚も絶品。
燦々と振り注ぐ太陽を浴びた野菜は、
体に入れると力が湧いてくるような力強さがある。
近海で採れた魚は余計なものを一切感じない、甘みと旨みそのもの。

「野菜も近所の人にもらえるし、魚も新鮮なものが安く手に入るし」
おいしい魚が安く手に入ること、それは私が移住先に望んでいること。
うむ、岡山もいいな~。

「おもしろい人が多いし!」

たしかに、この日お会いした面々も
とても個性的で生き生きしていておもしろかった。

「いつ岡山に引っ越すんですか?」と聞かれ、
「考えてみます」とつい答えてしまった。
胃袋をがっちり押さえられながら笑いに包まれているうちに、
岡山で暮らしてみたくなってしまったのだ。

岡山はもともと移住先としては考えていなかった。
私は東京での仕事も続けたいと思っているので、
行き来するには少し遠すぎる、そんな気もした。
ちなみに岡山と東京のアクセスは以下。

●車(以下、すべて片道)7時間

高速料金13920円+ガソリン代7500円=合計21420円

*リッター10キロ、1リットル115円として計算
(家族全員で移動するときには安く収まるが、7時間となると頻繁には無理)

●新幹線 3時間17分

17140円
(往復およそ3万5千円、ちょっと高いな~)

●飛行機 1時間15分

「特割75」9390円~

「特割3」14190円~

(75日前の撮影のオファーというのはあり得ないので、現実的なのは「特割3」。となると、往復およそ3万円。これならありかも)

●深夜バス 10時間(岡山駅20:30発、新宿駅6:35着)

5000円~
(40歳を過ぎた体にはきついな……)

高速バスが便利な淡路島とか、
もう少し東京に近い三重県などをイメージしていた。
だが、今回の旅であらためて考えている。
この先どれくらいの頻度で東京に通うことになるのか。
二重生活がいつまで続けられるかわからないんだし、
東京とのアクセスにさほどとらわれることもないのかもしれない。

そうしたら岡山もありなのかも?
でも、東京の家族に気軽に会いに行くことはできなくなるし。
などなど、頭がぐるぐる。
思ってもみなかった岡山も候補地に入り、
さらに移住先を迷い始めてしまった。
果たして、どこに着地すればいいのだろうか……。

このあと改造ワンボックスカー〈歩く花号〉は、
徳島、淡路島、三重を回ります。
そこでもまた新たな展開があり、津留崎家、とっても悩んでおります。
その様子はまた次回お届けします。

こぼれ話。「近くにいい海があるよ」というユウの言葉に誘われて、牛窓海水浴場に出かけた。はるか遠くまで続いているのは、波のない穏やかな瀬戸内海。

子どもたちは満面の笑みで水とたわむれ、夫はビーチチェアに座って海風を味わっている。こんなに豊かな時間を家のすぐそばで過ごせるということが、本当の贅沢なのかも。

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寺園証太工房

住所:岡山県瀬戸内市牛窓町長浜5183-3

Web:terazonoshota.com

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ゆくり

住所:岡山県岡山市北区撫川173-1

TEL:086-292-5882

営業時間:木・金・日曜 11:00~16:00

Web:www.yukuri-utsuwa.net

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Musashi FILM

写真・文 津留崎徹花