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移住、どこで暮らす?
一家で移住先を探す旅へ|Page 4

暮らしを考える旅 わが家の移住について
vol.001

Page 4

旅の準備、車をカスタマイズする

この旅では、移住先を探しながら、自分たちが目指すような暮らし方を
実践している先駆者を訪ねたいとも考えています。

では、具体的にどのように旅を進めるのか?
移住について調べていくと、自治体によっては
その地域への移住を考えている人が
借りられる移住体験住宅を用意していることを知りました。

「移住体験住宅」で検索するとさまざまな自治体の体験住宅の情報がヒットします。なかには無料の施設もあるようです。これを使わない手はない!

体験住宅のある地域では、そこを拠点に移住地探しをしようと考えています。
ただ、体験住宅を用意している自治体はどちらかというと少数派です。
体験住宅のない地域ではゲストハウスや民宿など、宿に泊まることも考えたのですが、長期間にわたる場合、費用がかさみすぎてしまいます。

ならば車中泊をしながら、
キャンプ場や道の駅を転々として移住候補地を巡るしかない! 
とはいえ、普通の車で家族で車中泊の長旅をするのはかなりつらい……。
ということで、家族での長旅といえば憧れのキャンピングカーだろ! と
随分と探しました。

でも、家族での長旅に適しているようなキャンピングカーはなかなかお高く、
残念ながら我が家のフトコロ事情とは相容れない。
また、そんなキャンピングカーは車体がかなり大きく、小回りがきかなそう。
実際、地方にはかなり細い道が多いです。そして、燃費も相当悪いようです。

ワクワクしてキャンピンカー専門店に見に行ったこともありました。10年以上も前の中古車でこの値段……。そして大きい……。確かに快適に車中泊はできそうですが。

そんなときに格安のワンボックス車を通りすがりの中古車屋で発見。
しかもなんと燃費のよいハイブリッド車!
格安なのにはわけがあって、ちょっとした事故車らしいのですが、
特に問題ない箇所とのこと。
これを家族での長旅、車中泊に適した車に自分でカスタムするしかない! と
意を決して購入しました。

いよいよ旅が始まるという感じで、妻も僕もテンションが上がってきました。
さっそく車中泊仕様へのカスタムを始めます。

まず考えなければいけないのは、家族3人が寝るスペース、
寝る際の換気と虫対策、荷物の置き場。
そして、せっかく地方を巡るのであれば、
その土地のおいしい食材を買って料理もしたい。
ではキッチンをどうするか?

車中泊仕様へカスタム中。

得意の妄想力を駆使して車中泊仕様へのカスタムを開始。
3列目シートを取り払ったスペースにベッドをつくりました。
ベッドの下はかなりの収納力です。
寝るときには2列目シートを前に倒してその上にベッドを伸ばします。
キッチンはスペースの都合で車内に設置することはあきらめて、
車の後方に設置するようにしました。
解放感ではキャンピングカーに負けません!

そして、娘が「歩く花号」と名づけたこの車で、その寝心地を確かめるべく、
長い旅の予行も兼ねてとりあえずの1週間ほどの旅に出ました。

旅の行き先は岡山県瀬戸内市牛窓。
そこには友人の陶芸家一家が住んでいて、
彼らは僕たちが目指すような暮らしをしています。

友人の陶芸家の工房〈寺園証太工房〉。ハーフビルドで建てた工房兼住居の様子。長女の奏でるピアノを聴きながら父は器をつくり、母は家事をこなす。とても丁寧に。次女の出産はこの空間で家族だけでしたそうです。

ちょうど新作の展示会をやっているとの知らせを受けていたので、
その展示会に顔を出して、岡山からの帰りには、漠然と移住先の候補として考えている四国や淡路島の知人を訪ねるという段取りです。
9月から予定している長い旅の駆け足バージョンといった感じです。

どこに泊まるのかも決めずに出るこの旅では、初めて家族で車中泊をします。
蒸し暑いこの時期、果たして熟睡できるのか? キッチンの使い心地は?
そして、移住候補地である四国と淡路島を駆け足で巡って何を感じるのか?

いよいよ旅が始まります。
移住に向けて本格的に動き出したわが家の行く末を、
あたたかくお見守りくださいませ!

information

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レストラン 朔

住所:三重県美杉町八知3541

Web:saku.jp.net

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寺園証太工房

住所:岡山県瀬戸内市牛窓町長浜5183-3

Web:terazonoshota.com

写真・文 津留崎鎮生