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さて、本題に戻ります。
移住する土地を決める旅に出るといっても、
移住先で目指す暮らしがなければ決めようがありません。
例えば、自分たちの食べるものは自給自足できるように、
そしていずれはエネルギーも自給できたら。
食べものから住まいまで、つくれるものはできるだけ手づくりで、
なるべくゴミを出さない生活に。
あくまで理想ですが、そんな暮らしをしたいのです。
ではなぜ、こんな生活をしたいと思うようになったのか?
東日本大震災、その3か月後の娘の誕生を機に自分たちの暮らしのあり方を見つめ直し、もっと自分たちの暮らしを自分たちで丁寧につくり上げたい、
そう思うようになったことがきっかけです。
もちろん東京にいてできることはたくさんあります。できる限りのことはやってみようと、会社員をしながらやってきたつもりです。
例えばこんな感じで。
でも、東京で会社員をしながらのそんな暮らしには限界があります。
そして、東京からの移住を考え始めたのでした。
東日本大震災と娘の誕生から5年が過ぎました。
移住を決心するまでに随分と時間がかかってしまいましたが、
段々と大きくなっていった自分の中の変化を受け止めて行動に移そうと考えたのでした。そして、幸いなことに妻も同じように感じていたのです。
震災の前までは妻も僕も、当たり前に東京で一生を過ごすと思っていました。
ローンを組んでの住宅購入を考えていた時期もあったくらいです。
(頭金と決断力がなく購入はいたりませんでした。
僕たちのように考えが変わりやすいタイプは、
ローンを組んでの住宅購入なんてもってのほかですね)
妻は会社員として働いていくことと育児の両立の難しさを感じて、
一昨年、会社を辞めてフリーランスとして働き始めています。
会社員の頃に比べると収入は安定しないものの、
暮らしと丁寧に向きあっているようです。
そして、自分も会社を辞めました。
家族で、より暮らしと丁寧に向き合うため、
より丁寧に暮らしをつくり上げるために移住することを決めたからです。
ふたりとも会社員のときは収入の安定こそあれ、お互いに余裕がなく、
生活も育児もピリピリとしていた気がします。
気持ちの面では、ふたりともが会社員を辞めたいまのほうが
安定しているかもしれません。
もちろん、この先どうなるのか不安がないわけではありませんが、
どうにかなる! と思い込んで突き進むしかないのです。