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移住、どこで暮らす?
一家で移住先を探す旅へ|Page 3

暮らしを考える旅 わが家の移住について
vol.001

Page 3

丁寧な暮らしを求めて

さて、本題に戻ります。
移住する土地を決める旅に出るといっても、
移住先で目指す暮らしがなければ決めようがありません。

例えば、自分たちの食べるものは自給自足できるように、
そしていずれはエネルギーも自給できたら。
食べものから住まいまで、つくれるものはできるだけ手づくりで、
なるべくゴミを出さない生活に。
あくまで理想ですが、そんな暮らしをしたいのです。

ではなぜ、こんな生活をしたいと思うようになったのか?
東日本大震災、その3か月後の娘の誕生を機に自分たちの暮らしのあり方を見つめ直し、もっと自分たちの暮らしを自分たちで丁寧につくり上げたい、
そう思うようになったことがきっかけです。

もちろん東京にいてできることはたくさんあります。できる限りのことはやってみようと、会社員をしながらやってきたつもりです。
例えばこんな感じで。

家庭菜園で育てた野菜たち。初めて収穫できたときのうれしさは忘れられません。

娘と姪のためにつくったベンチとテーブル。娘のはいているズボンは妻のつくったもの。

わが家の吸引力の変わらない掃除機。

庭の片隅に生ゴミを埋めています。虫が食べ、微生物が分解して、あっという間に土に還ります。ゴミの量は減り、ゴミ箱は臭くならなず虫がわかない、堆肥もできると、いいことばかりです。

でも、東京で会社員をしながらのそんな暮らしには限界があります。
そして、東京からの移住を考え始めたのでした。

東日本大震災と娘の誕生から5年が過ぎました。
移住を決心するまでに随分と時間がかかってしまいましたが、
段々と大きくなっていった自分の中の変化を受け止めて行動に移そうと考えたのでした。そして、幸いなことに妻も同じように感じていたのです。

震災の前までは妻も僕も、当たり前に東京で一生を過ごすと思っていました。
ローンを組んでの住宅購入を考えていた時期もあったくらいです。
(頭金と決断力がなく購入はいたりませんでした。
僕たちのように考えが変わりやすいタイプは、
ローンを組んでの住宅購入なんてもってのほかですね)

妻は会社員として働いていくことと育児の両立の難しさを感じて、
一昨年、会社を辞めてフリーランスとして働き始めています。
会社員の頃に比べると収入は安定しないものの、
暮らしと丁寧に向きあっているようです。

そして、自分も会社を辞めました。
家族で、より暮らしと丁寧に向き合うため、
より丁寧に暮らしをつくり上げるために移住することを決めたからです。

ふたりとも会社員のときは収入の安定こそあれ、お互いに余裕がなく、
生活も育児もピリピリとしていた気がします。
気持ちの面では、ふたりともが会社員を辞めたいまのほうが
安定しているかもしれません。

もちろん、この先どうなるのか不安がないわけではありませんが、
どうにかなる! と思い込んで突き進むしかないのです。