odekake
posted:2013.6.24 from:静岡県 genre:旅行
〈 おでかけコロカルとは… 〉
一人旅や家族旅行のプラン立てに。ローカルネタ満載の観光ガイドブックとして。
エリアごとに、おすすめのおでかけ情報をまとめました。ぜひ、あれこれお役立てください。
editor’s profile
SeCue編集部 すみまき
伊豆の「ひと」「もの」「まち」をつなぐフリーペーパー「SeCue(セキュー)」の編集・発行をしています。
三島生まれ三島育ち三島市在住。元美術館学芸員、現在子育て中。趣味は手ぬぐい集め。
http://se-cue.blogspot.jp
箱根山の南の裾野、函南町桑原地区に、2012年新しい美術館がオープンしました。
どこか懐かしい風景が広がる山里の一角に、
印象的なふたつの三角屋根がたたずんでいます。
建築家の栗生明氏が、人の集まる「堂」をイメージして設計した美術館には、
平安時代の薬師如来像、
鎌倉時代の慶派の仏師・実慶作、阿弥陀三尊像(重要文化財)をはじめとした
24体の仏像が納められています。
屋根の正四角錐の形を生かした、高い天井の展示室には、
仏像が暗闇の中に浮かび上がるように展示されています。
あえて照明を落とし、説明も最低限。
心静かに鑑賞していただくことを意図しているのだそうです。
これらの仏像は、もともとこの桑原地区の中で長い間守り伝えられてきたものです。
美術館の南側の窓から、以前仏像が安置されていた桑原薬師堂を望むことができます。
美術館から歩いて5分ほどの、桑原薬師堂がある長源寺の裏山には、
西国三十三カ所巡りになぞらえた石仏が並んでいます。
1周10分ほど、ほどよいハイキングです。
森の中で見る優しいお顔の仏様たちは、みなさんほっとする姿をされています。
実は、鎌倉幕府の執権北条氏を生んだ伊豆は、
鎌倉と同様に平安・鎌倉時代の貴重な仏像が多く残る地です。
源頼朝が奥州討伐と戦勝祈願のために建立した、伊豆の国市の願成就院には、
運慶作の阿弥陀如来坐像や毘沙門天像など(いずれも国宝)が、
伊豆市の修禅寺には函南の仏像と同じ作者・実慶作の
大日如来像(重要文化財)が伝えられています。
伊豆の仏様を巡るドライブなんてのもおすすめですよ。
(修禅寺の大日如来座像は、毎年11月1日〜10日のみ一般公開)。
information
かんなみ仏の里美術館
住所 静岡県田方郡函南町桑原89-1
TEL 055-948-9330
開館時間 10:00〜16:30
休館日 火曜日、年末年始
入館料 高校生以上300円 小中学生100円
http://www.kannami-museum.jp/
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