仏様の優しいお顔に心安らぐ 「かんなみ仏の里美術館」

2012年にオープンした、仏様の美術館。

箱根山の南の裾野、函南町桑原地区に、2012年新しい美術館がオープンしました。
どこか懐かしい風景が広がる山里の一角に、
印象的なふたつの三角屋根がたたずんでいます。
建築家の栗生明氏が、人の集まる「堂」をイメージして設計した美術館には、
平安時代の薬師如来像、
鎌倉時代の慶派の仏師・実慶作、阿弥陀三尊像(重要文化財)をはじめとした
24体の仏像が納められています。
屋根の正四角錐の形を生かした、高い天井の展示室には、
仏像が暗闇の中に浮かび上がるように展示されています。
あえて照明を落とし、説明も最低限。
心静かに鑑賞していただくことを意図しているのだそうです。

(左)阿弥陀如来及両脇侍像(重要文化財)、(右)薬師如来坐像(静岡県指定有形文化財)

阿弥陀如来坐像、観音菩薩立像。奥には十二神将立像が並ぶ。

これらの仏像は、もともとこの桑原地区の中で長い間守り伝えられてきたものです。
美術館の南側の窓から、以前仏像が安置されていた桑原薬師堂を望むことができます。
美術館から歩いて5分ほどの、桑原薬師堂がある長源寺の裏山には、
西国三十三カ所巡りになぞらえた石仏が並んでいます。
1周10分ほど、ほどよいハイキングです。
森の中で見る優しいお顔の仏様たちは、みなさんほっとする姿をされています。
実は、鎌倉幕府の執権北条氏を生んだ伊豆は、
鎌倉と同様に平安・鎌倉時代の貴重な仏像が多く残る地です。
源頼朝が奥州討伐と戦勝祈願のために建立した、伊豆の国市の願成就院には、
運慶作の阿弥陀如来坐像や毘沙門天像など(いずれも国宝)が、
伊豆市の修禅寺には函南の仏像と同じ作者・実慶作の
大日如来像(重要文化財)が伝えられています。
伊豆の仏様を巡るドライブなんてのもおすすめですよ。
(修禅寺の大日如来座像は、毎年11月1日〜10日のみ一般公開)。

長源寺裏山の桑原三十三躯のひとつ(ミニ西国三十三カ所巡り)

information


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かんなみ仏の里美術館

住所 静岡県田方郡函南町桑原89-1
TEL 055-948-9330
開館時間 10:00〜16:30
休館日 火曜日、年末年始
入館料 高校生以上300円 小中学生100円
http://www.kannami-museum.jp/