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writer profile
Akiko Saito
齋藤あきこ
さいとう・あきこ●宮城県出身。図書館司書を志していたが、“これからはインターネットが来る”と神の啓示を受けて上京。青山ブックセンター六本木店書店員などを経て現在フリーランスのライター/エディター。
芋煮、といえば東北地方で行われる、
里芋とお肉を使った汁物の鍋を河原でワイワイと囲む行事。
なんとこの芋煮に似た行事が、四国の愛媛県にもありました。
愛媛県での名前は、〈いもたき〉。
毎年秋に、澄んだダシで里芋をメインに仕立てた大鍋を囲み、
会社や地域のメンバーなどで親睦を深めるという行事です。
家庭でも作られることが多く、秋の訪れを感じる風物詩となっているのだそう。
場所は同じく河川敷ですが、みんなで材料を持ち寄って調理する芋煮が
BBQ的行事なら、いもたきは食事の準備も業者が準備をしてくれる、宴会的行事。
時間帯も、芋煮は昼ですがいもたきは夜と正反対です。
いもたきの発祥は大洲市、江戸時代の親睦行事“お籠り”が起源。
愛媛県内の約13か所、南予を中心とした愛媛県下の様々な地域で行われ、
秋の河川敷では月見も兼ねた大勢での宴会が催されています。
大洲の特産品が里芋だったことから、各地で行われる際にも
里芋が使われるようになったのではないかと言われています。
ゴザや食事の道具、仕出しまで業者が準備をしてくれ、
手ぶらで宴会が楽しめるのがいいですね!
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いもたきは、基本的には鶏ガラベースの出汁に
里芋や鶏肉などの具材を入れて煮込みますが、各地域によって個性があります。
四国中央市土居町のいもたきは愛媛のブランド産品の里芋〈伊予美人〉を使ったり、
五色浜のいもたきは五色のかまぼこ入り、
松山市出合町のいもたきは今出港で獲れたタコなど…
その土地の名産品が具材に使われるのが特徴です。
こちらは鬼北町のいもたき。鬼北町では、和太鼓の演奏を聴きながら、
いもたきを楽しめます。鬼北町産のさといもをはじめ、鶏肉、
こんにゃく、たまご、あげのほか、川ガニを入れるのが特徴。
かなり独自レシピが発達しているようです。
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このいもたきを体験してみたいという方のために、
お鍋ひとつで作れるいもたきセットの通信販売もあります。
食材はできるだけ大洲産にこだわり、スープも地元の醤油メーカーと共同開発。
お値段は4〜5人前のセットで3,500円(送料込)
お問い合わせは大石フーズ(TEL.0893−25−5620)まで。
約300年の歴史があると言われる、愛媛の秋の風物詩。
一度体験してみたいものです。
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土居のいもたき
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