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posted:2016.4.17 from:富山県高岡市 genre:ものづくり
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writer profile
Akiko Saito
齋藤あきこ
さいとう・あきこ●宮城県出身。図書館司書を志していたが、“これからはインターネットが来る”と神の啓示を受けて上京。青山ブックセンター六本木店書店員などを経て現在フリーランスのライター/エディター。
富山県高岡市に伝わる“彫刻塗”は、
江戸中期に生まれた、彫刻を施してから漆を塗る技法。
通常の漆器と比べ、圧倒的な立体感と
独特の艶感が特徴です。
そんな“彫刻塗”の技法を使った、高岡うまれのプロダクト〈Obil〉。
器の表面に施した彫刻がアクセントとなって、
食卓をスタイリッシュに飾ってくれるアイテムです。
彫刻塗という伝統工芸の技法を使い、
手間ひまをかけて作られた、モダンなデザインの
カッティングボードたち。
和の伝統的な彫り方を使用しているので、
和食との相性もばっちりです。
ただいま〈ツクリッテラボ〉にて、
クラウドファウンディング形式で先行発売を行っています。
それではラインナップをご紹介!
クルミのカッティングボード(横長八角)。
サイズは28cm×20cmと大きめ。
パーティでオードブルを載せたり、
一人用のワンプレートとしても使えるサイズです。
素材は高級家具にも使われる、くるみ(ウォールナット)。
彫刻材としても、ほうのきなどと並んで彫りやすいのが特徴。
いくつかの彫刻材を試す中で、彫刻の稜線を最も綺麗に
見せてくれたのがくるみだったのだそう。
こちらは十角形のカッティングボード。
彫りを美しく見せることができる多角形のなかでも、
十角形が最も彫刻的だったのでこの形になりました。
18cmと、一回り大きい24cmの2サイズがあります。
〈Obil〉では、カッティングボードの注文の際、
“トントン彫り”と“流し彫り”の2種類の彫り方を
選ぶことができます。
こちらが“トントン彫り”。
幅広の彫刻刀を使って、その名の通りトントンと
リズミカルに彫る乱れ彫りのひとつで、
葉っぱや岩肌を表現する際に使われてきました。
こちらが“流し彫り”。
水の流れなどを表現するときや
背景に使われてきた彫り方で、
細身の丸い彫刻刀の刃を流れる様に彫り進めるというもの。
ぜひお好みで選んでみてください!
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高岡で〈Obil〉を立ち上げたのは、
彫刻塗師(ちょうこくぬし)の家系の三代目として生まれた
山村高明さん。
彫刻塗りの産業は衰退の一途をたどり、
後を継ぐ職人も少なくなっています。
そこで山村さんが、伝統工芸のあるべき姿を
模索して起こしたのが〈アルベキ社〉でした。
彫刻塗師屋としての仕事を通じて、
テクスチャーを生み出す技術に惹かれていった山村さん。
〈アルベキ社〉は、その技術とテクスチャーの魅力が評価され、
空港のVIPラウンジや、著名なホテルの内装など
高級建築に関わる仕事を手がけるようになりました。
しかし彫刻塗のように、彫刻で装飾を加える“加飾”は、
現代のトレンドでは、価格が高くなったり、
個性が強いという理由から敬遠されるなど、
プロダクトから排除される傾向にあります。
そこで、かつての日本が持っていた“加飾”の
文化を蘇らせるべく、
400年の歴史を持つ彫刻塗の技術を
現代の食卓にも取り入れていくために作られたのが〈Obil〉。
シンプル一辺倒のデザインがもてはやされるなかで、
上質な”加飾”はそこに美しさや彩りを与えてくれるという
ことを提案しているのだそう。
先行販売では、くるみのカッティングボードのほかに、
〈朴ノ木の丸皿〉もご用意。
朴ノ木の淡い色合いと質感が、ランチョンマットとしてよく使われる
リネンやコットンなどのファブリックとの相性が良いので使ったのだそう。
ふちの部分のみに施した彫刻が奥行きを与え、
額縁の様に食材を引き立ててくれます。
サイズは大(24cm)と小(21cm)の2種類です。
〈〈Obil〉立ち上げ先行販売〉では、プロダクトのほか、
山村さんによる高岡現地案内付きプランも販売中。
締め切りは5月20日まで。
information
〈Obil〉
URL:〈Obil〉立ち上げ先行販売
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